極める古文4 上位~難関大突破編

まことに宜しき歌 すべきやらむ。 まことに歌の中道はただ 侍り。さらに人のこれこそと申 らず候ふ。家々に伝へたるすぢ、秀 ちまちなり。俊恵は、 「ただ歌は幼かれ 申して、やがて我が歌にもその姿の歌を秀逸 とは思ひたり気に候ひけるとか 。俊頼は、 えもいはず長高きを宜しと申しためり。その 外品々に申しかへてぞ侍る。更に短慮及び難 くぞおぼえ侍る。何も知れば強ち大事になり 侍る習ひなれども、殊にこの道はさとおぼえ て侍り。我が心の中にて歌の昔今を思ひ合は せてみるに、古よりも当時 殊の外によむ歌 毎にわろくのみおぼえて、それかと思ひて出 だすは稀にぞ侍る。仰げばいよいよ高き事に

第6講『毎月

本当によい和歌の きなのでしょうか。 本当に和歌の道における正 です。決して他の人がこれこそと です。 いての理解は、 まちまちです。俊恵は、 「 と申して、そのまま自分の和歌についても の の和歌を秀逸だと思っていたふしがありましたとか す。俊頼は、何ともいえず格調の高い をよ と申して うです。そのほかの歌人たちはいろいろに違うことを て ます。 者が、どれが正しいなどとは思いつくことはできないことだと 感じられます。何事も われるのが習いですが、ことにこの

われます。私の心の中で、 和歌の昔と今とを思い比べてみると、 昔よりも現代は詠む歌はど も格別によくなく思われるばかり

こういろいろな意見があると

歌道の

家々に伝えている言い伝え、秀逸の和

その道を

知るとむやみにそれが大事に思

、とうてい至らない考えの

和歌の

道はそのようだと思

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