極める古文4 上位~難関大突破編

しく弾き給 りなるに、琴心 はせ」と北の方宣へ といとまのあるままに れば、 いとをかしげにひね 「いとよかめり。ことなるかほ は、ものまめやかに習ひたるぞよき 二人の婿の装束、いささか ひまなく きあひ縫はせ給へば しばしこそ物いそがし かりしか、夜も寝もねず縫はす。いささかお そき時は、 「かばかりの事をだにものうげに し給ふは、なにを役にせむとならむ」とせめ 給へば、うち嘆きて、 「いかでなほ消えうせ ぬるわざもがな」となげく。

習ったので 「大変結構 よ に何かを っておく 束を、すこしの暇もな らくの間はなにかと忙しかっ る。わずかでも遅れると、 「この なさ とは、何を自分の仕事に よう

の方が 死んでしまう方法があればなあ」と嘆く。

責めなさるので、

姫君は

嘆いて、 「なんとかしてやはり

北の方は

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