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文 女もしてみむとてす サ変「す」連体形+「なり」=断定 るなり。 (土佐日記) = 男も すると聞いている 日記というものを女の私もしてみようと思っ て 書くのである 。 = 紀貫之の書いた『土佐日記』の冒頭部分を覚えると、二つ の「なり」の識別に強くなるのだ。助動詞「なり」には、 1 伝聞・推定 と 2 断定 とがある。基本的 には接続で見分けるので、「す/なる」のように「終止形+なり」ならば伝聞・推定、「する/なり」の ように「連体形+なり」ならば断定、と覚えておこう。 さては扇のにはあらで、海 くらげ 月のななり。 (枕) = それでは、扇の骨ではなくて、海月の骨( であるようだ )。 ここでの「な/なり」は、断定の助動詞「なり」の連体形「なる」+ 伝聞・推定の助動詞「なり」の終止 形から成る る/なり」が撥音便化して「なん/なり」となり、さらに「な/なり」となったもの。「な るなり → なんなり → ななり」ということだね。訳は「ななり」=「であるようだ。であるということだ」。 法 4 サ変「す」終止形+「なり」=伝聞・推定 なる日記といふものを 文 法 文 法 古文文法 伝聞・推定と断定の助動詞「なり」 男もす 1 終止形 +「なり」 伝聞・推定 2 体言・連体形 +「なり 」= 断定
ら 「なり(伝聞・推定)」 終止形接続の助動詞の注意点としては、ラ変型に活用するものには連 体形に接続する、ということ。たとえば、ラ変「あり」に「らむ」が 接続すると、「あり(終止形)/らむ」ではなく、「ある(連体形)/ らむ」となる。同様に形容詞「をかし」だと「をかしかる/らむ」、 形容動詞「静かなり」だと「静かなる/らむ」となる。要するにラ変 型活用のものが上にくると「―る(連体形)+終止形接続の助動詞」 となる。 をかしきことも世のはかなきこも、うらなく言ひ慰まん こそ、うれしかるべきに、さる人あるまじければ、 (徒然) = 風流な話も世間のちょっとした話でも、心の隔てなく話をして心 を慰めるとしたらそれはさぞうれしい( はずだけれども )、そん な気心の合った人はいるはずもないから、 「らむ」 むちゃんめ 「めり」 りちゃん な りはべ 「べし」 しっとま 「まじ」 じ ら 「らし」 しい
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