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文 16 敬語「参 まゐ る」  「参る」は、多くの場合、 「参 上する」と訳す。「参詣する」「入内する」意の場合も ある。ただ、謙譲語として「(貴人に何かを)してさ しあげる」という場合もあるので注意だ。 さらに、 「食ふ」「飲む」の尊敬語になる場合もあり、 「召し上がる」「お飲みになる」と訳すこともある。 法 「行く」「来 く 」の謙譲語で、

● 敬語「参る」のまとめ 1 「参る」はまずは謙譲語で訳す。 → 「参上する」 がほとんど。(文脈的に「参詣する」 「入内する」の場合もある)。 ※「まうづ」はこの意味で「参る」と同義語。 2 貴人に何か奉仕する場合。 → 謙譲語で「 (貴人に何かを) してさしあげる」 と訳す。 3 主語が貴人で、 「食ふ・飲む」 の動作をしている場合。 → 尊敬語で、 「召し上がる・お飲みになる」と訳す。

宮に初めて参りたるころ、 (枕) =中宮様のところに初めて( 参上し )たころ、 人より先に まゐり 給ひて、やむごとなき御思ひな べてならず、 (源氏) =ほかの妃よりも先に( 入内 )なさって、帝がお 心をおかけになることは並み一通りでなくて、

ほかにて酒などまゐり、酔ひて、 (大和) =よそで酒などを( お飲みになり )、酔っぱらって、

加 持 ぢ などまゐるほどに、日高くさし上りぬ (源氏) =加持などを( してさしあげる )うちに、太陽が 高くのぼった。 とく御格子参らせ給ひて、朝霧をながめ給ふ。 (源氏) =早く御格子を( 上げ )させなさって、朝霧をな がめなさる。 ※謙譲語の用法「御格子参る」で、「御格子をお上げ する(お下げする)」意になる。上げか下げるかは 文脈で判断する。 か

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