古文単語ゴロゴプレミアムプラス+

ただし、「奉る」には尊敬語の用法があるので注意。 主語が貴人で、「着る」「食ふ・飲む」「乗る」の動作 をしている場合は尊敬語で、それぞれ「お召しになる」 「召し上がる・お飲みになる」「お乗りになる」と訳す。 ● 敬語「奉る」のまとめ 1 主語が貴人で、「着る」「食ふ・飲む」「乗る」 の動作をしている場合。 → 尊敬語で、「お召しになる」「召し上がる・お飲 みになる」「お乗りになる」と訳す。 2 本動詞で使われ、主語が貴人でない場合。 → 謙譲語で、「差し上げる」と訳す。 3 動詞や助 、およびそれに接続助詞の「て」 の付いた形に付いている場合。 → 謙譲の補助動詞で、「~し申し上げる」と訳す。 つまり補助動はすべて謙譲語。

敬語「奉 たてまつ る」  「奉る」は通常、謙譲語で使われる。本動詞の場合は、 「与ふ」の謙譲語で「差し上げる」と訳し、補助動詞 になる場合は、「~し申し上げる」と訳す たてまつらん」と言ひたる、まことの志なり。 (徒然) =人に物を与える場合も、何のきっかけもなくて、  「これを( 差し上げましょ )う」と言っている のが本当の誠意である。 ※「与ふ」の謙譲語。 文 法 15 人に物を取らせたるも、ついでなくて、「これを

天人言ふ、「壺 つぼ なる御薬たてまつれ」 (竹取) =天人が言う、「壺の中にあるお薬を( お飲みくだ さい )」 ※「飲む」の尊敬語の命令形。「なる」は 断定の助動詞の存在用法。「~にある」と訳す。 331

ことごとしからぬ御車にたてまつりて、 (源氏) =大げさでないお車に( お乗りになっ )て、 ※「乗 る」の尊敬語。

いと暑しや。これより薄き御 おんぞ 衣たてまつれ。 (源氏) =とても暑いな。これよりも薄いお着物を( お召 しなさい )。 ※「着る」の尊敬語。

九月二十日のころ、ある人に誘はれたてまつりて、 (徒然) =九月二十日ごろ、ある人に誘われ( 申し上げ )て、 ※ 謙譲の補助動詞。

古文文法

Made with FlippingBook Online newsletter