みんゴロ極める古文1
ず。よく分かれて、うつつの人にあひ見るご とくおしはからるるなど、おぼろげの筆の、 かけても及ぶべきさまにあらず。
べて書きざまめでたき中にも、男女、その人 人の、けはひ心ばへにしたがひて一やうなら
よにふる人のたたずまひ、春夏秋冬をりをり の空のけしき、木草のありさまなどまで、す
その違いをうまく書き分けてあって、現実の人に向かい合って いるようにその人柄が自然と推測されるなど、並大抵の筆の力 では、決して及ぶことができるような書きぶりではない。
てについて書き方がすばらしいその中でも、登場する男女、そ の一人一人が、態度や気立てに応じて描き方が一通りではない。
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