みんゴロ極める古文1
制限時間 解答編 08 ページ 30 今は昔、大 おほ 隅 すみの 守 かみ なる人、国の政をしたためおこなひ 給ふあひだ、郡司の しどけなかりければ、「召しに やりて戒め ん」と言ひて、さきざきのやうに、しどけなきことありけるには、罪に任せて、重く軽く 戒む る ことありければ、一度にあらず、たびたびしどけなきことあれば、重く戒めんとて、召すなりけり。 「ここに召して率て 参り たり」と、人 の 申しければ、さきざきするやうにし伏せて、尻頭にのぼり 居 たる 人、笞 ※しもと を設けて、 打つ べき人設けて、さきに人二人引き張りて出で来たるを見れば、頭は、黒髪もまじら ず、いと白く、年老いたり。 見るに 打ぜ んこと、いとほしく覚えければ、何事につけてか、これを許さんと思ふに、 ことつくべきこ となし。過ちどもを片端よ問ふに、ただ老いを高家にていらへをる。 いかにしてこれを許さん と思ひ て、 「おのれはいみじき盗人かな。 歌は詠みてんや」 と言へば、 「はかばかしからず 候へども、詠み候ひなん」 と申しければ、 分 第 1 講 『宇治拾遺物語』 A イ X a B Y b c d ロ ハ 甲 C 次の問題文を読んで、後の問いに答えなさい。
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