みんゴロ極める古文1

制限時間 解答編 62 ページ 30 今は昔、 女 ※1 院、 内裏 へはじめて入らせおはしましけるに、御 屏 びゃう 風 ぶ どもをせさせ給ひて、歌よみども に 詠ませさせ給ひけるに、四月、藤の花おもしろく咲きたりける ひ ※2 らを、 四 ※3 条大納言あたりて詠み給ひけ るに、その日になりて、人々歌ども持てまゐりたりけるに、大納言遅くまゐりければ、御使して、遅き よしをたびたび 仰せられつかはす。権大納言行成、御屏風たまはりて、書くべきよしなし給ひければ、い よいよ立ち居待たせ給ふほどに、 まゐり給へれば、「歌詠ども、はかばかしきどももえ詠み出でぬに、 さ りとも 」と、誰も心にくがりけるに、御前にまゐり給ふや遅きと、 殿 ※4 の、「いかにぞ、あの歌は。遅し」 と仰せられければ、「 さらにはかばかしくつかまつらず。悪くてたてまつりたら ん は、まゐらせぬには劣 りたることなり。歌詠むともがらの、すぐれたらん中に、はかばかからぬ歌書かれたらむ、 長き名に候 ふべし 」とやうに、 いみじく逃れ申し給へど、殿、「あるべきこと に もあらず。 異人の歌なくてもありな む。御歌なくは、大方、色紙形を書くまじきことなり」などまめやか に 責め申させ給へば、大納言、「い みじく候ふわざかな。此度は、誰もえ詠みえぬたびに侍るめり。中にも、永任をこそ、さりともと、思ひ 給へつるに、『岸のやぎ』とふことを詠みたれば、いとことやうなることなりかし。これらだ に かく 詠みそこなへば公任は え詠み侍らぬもことわりなれば、許したぶべきなり」と、さまざまに逃れ申し給 分 第 4 講 『古本説話集』 ① a A B ア 甲 X イ C b 乙 c d 丙 次の文を読んで後の問いに答えなさい。

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