みんゴロ極める古文1
制限時間 解答編 84 ページ 25 次の文章は『更級日記』の一節で、作者が宮仕えをしていた、ある時のことを記した部分 である。これを読んで、後の問いに答えなさい。 上達部・殿上人 などに 対面する人 は定まりたるやう なれ ば、 う ※1 ひうひしき里人は、ありなしをだに 知ら るべきにもあらぬに、十月ついたちごろのいと暗き夜、不 ※2 断経に 声よき人々読む程なりとて、そなた近 き戸口に二人ばかり立ち出でて聞きつつ物語して寄り臥してあるに、 参 ※3 りたる人 のあるを、「逃げ入り て、 局 つぼね なる人々呼び上げなどせむも見苦し。さはれ、 ただ折からこそ。かくてただ」と言ふ いま一人 の あればかたはらにて聞きゐたるに、 おとなしくしづやかなるけはひにて、ものなど言ふ、くちをしから ざ なり 。 「 いま一人 は」など問ひて、世の常の うちつけのけさうびて なども言ひなさず、世の中のあはれ なる こ とどもなど、こまやかに言ひ出で、 さすがにきびしう引き入りがたい節々ありて、 われも 人 も 答 いら へなど するを、「まだ知らぬ人のありける」など、めづらしがりて、 とみに 立つべくもあら ぬ ほど、星の光だに 見えず暗きに、うちしぐれつつ、木の葉にかる音のをかしきを、「 なかなかに 艶 えん にをかしき夜かな。月 のくまなく あかからむも、はしたなく まばゆかりぬべかりけり」など言ふ。 『更級日記』 分 ア イ a A ウ エ X B ① C b ② D c E オ カ F d G H 第 5 講
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