みんゴロ極める古文1

第6講  『平家物語』

b ウ エ なして、「わらはこそ是までたづね参りたれ。様のかはりて おはす らんをも、今一度見奉らばや」と、具 したりける女をもッていはせければ、滝口入道むねうちさわぎ、障子のひまよりのぞいてみれば、 まこと に尋ねかねたけしきいたはしうおぼえて、いかなる道心者も心よわくなりぬべし。やがて人を出して、 「まッたく是にさる人なし。門たがへでぞあるらむ」とて、 つひにあはでぞかへしける。横笛なさけなう うらめしけれども、力なう涙をおさへて帰りけり。

注※1 西王母――中国神話の女神で、不死の薬を持つと信ぜられていた。 ※2 東方朔――仙術の心得があり、長寿であったという伝説上の人物。 ※3 善知識―人を仏道に入らせるよい機縁。 問一 傍線部Aを口語訳せよ。 問二 傍線部B「様をさへかへ」とは具体的にはどういうこと意味しているか。六字以内で答えよ。 問三 空欄Cに入れるのに適当なものを次の中から選べ。 1 あしく 2 たけく 3 つよく 4 よわく 5 はたらく 問四 空欄Dに入れるのに適当なものを次の中ら選べ。 1 きさらぎ 2 うづき 3 ながつき 4 さつき

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