みんゴロ極める古文1
第7講 『源氏物語』
ウ 4 d なむ夕顔と申し侍る。花の名は人めきて、かうあやしき垣根になむ、咲き侍りける」と申す。げにいと 小家がちに、むつかしげなるわたりの、このものも、あやしくうちよろぼひて、むねむねしからぬ軒 のつまなどに、 蔓 は ひまつはれたるを、( C )「くちをしの花の契や。一ふさ折りて参れ」と宣へば、 この押しあけたる門に入りて折る。さすがにざれたる 遣戸口に、黄なる生 すずし 絹の、単袴、長く着なしたる童 の、をかしげなる、 出で来て、うち招く。白き扇の、いたうこがしたるを、( D )「これに置きて参ら せよ。枝も なさけなげなめる 花を」とて、 取らせたれば、門あけて惟光の朝臣出で来たるして、奉らす。 ( E )「鍵を置き惑し侍りて、いと不便なるわざなりや。物のあやめ見 給へ分く べき人も侍らぬわたり なれど、らうがはしき大 おほ 路 ぢ に立ちおはしまして」と、かしこまり申す。引き入れて下り給ふ。 c
3 問一 傍線部ア~ウの語の読み方を平仮名で記せ。 問二 文中( A )~( E )は、会話もしくは独言の話し手を補おうとしたものであるが、それぞ れどの人物が該当するか。次の中からそれぞれ選べ。 1 惟光 2 随身 3 源氏 4 童 問三 傍線部1は惟光が何をしている間「待たせ給」うたのか。文章全体の内容をふまえて答えよ
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