「新・ゴロゴ古文単語」オンラインフリー版v1.10

古文 文法 敬語の中で紛らわしい語の代表格は「給ふ」だ。文中では 尊敬語としての用法が圧倒的に多いが、入試では謙譲語の 「給ふ」も頻出する。 二つの「給ふ」 の最大の違いは、活用の種類だ。 尊敬語の「給ふ」= 四段活用 給は 4 /給ひ 4 /給ふ 4 /給ふ 4 /給へ/給へ 謙譲語の「給ふ」= 下二段活用 給へ/給へ/ ○ /給ふ 4 る 4 /給ふ 4 れ 4 / ○ この活用を見ると次のことがわかる。 「給は・給ひ ・給ふ」 = 四段活用 → 尊敬語 「給ふる・給ふれ」 = 下二段活用 → 謙譲語 「給は・給ひ ・給ふ」の形は四段活用にしか存在しない (下二 段の終止形「給ふ」の用例はほとんどない) ので「尊敬語」 。 「給ふる・給ふれ」 の形は下二段活用にしか存在しないので 「謙譲語」と、 一発で判定できるのだ。つまり、 「は・ひ ・ふ」は 尊敬 、 「ふる・ふれ」 謙譲 、「給へ」 で悩め! そうなると、問題は悩むべき「給へ」 の形だが、これは活用 形がまったく異なる。 「給へ」が何形かで尊敬語なのか謙 譲語なのかを判定する。 「給へ」 = 已然形 ・ 命令形 = 四段活用 → 尊敬語 「給へ」 = 未然形 ・ 連用形 = 下二段活用 → 謙譲語 さらに言うと、謙譲語の 「給ふ」には次のような特徴が ある。 ◦会話文中での補助動詞の用法がほとんどで、さらに上に 付く動詞が「見・ 聞き・知り・ 思ひ」しかない。 ◦謙譲の補助動詞だが、 「(私は) ~ております」と丁寧語 の訳で代用する。 13 65 66 敬語「給 たま ふ」 (P ・ )

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