「新・ゴロゴ古文単語」 特典版v1.20
・らる」 単語がマスターできたら、古文力をさらに伸ばすため、文法・古典常識・和歌・ 文学史にチャレンジしましょう。試験でよく問われる内容を重点的に、ゴロあ わせやイラストをまじえて分かりやすくまとめていま。 古文文法・古典常識・ 4 デジタルコンテンツ 5 和歌・文学史 「まし」も大切だ。
」
1 未然形接続の助動詞 世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし (古今) 世の中にまったく桜がなかった ならば 、春を迎える人の心は(桜の散るのを 心配しなくてもいいので)のんびりとした気分 であったろうに 。 完了に関する助動詞が多い ありわらのなりひら 原業平 の有名な和歌。「たえて~なかり」 は過去の助動詞「き」の未然形。 「のどけし」の未然形+反実仮想「まし」 。 文法 は過去、 ・たり」は完了、 「けむ(けん)
古文 文法 ラブル。 助動詞の接続、まずは未然形接続の助動詞をゴロで覚えよう。この中では「る が出題率第1位、 「む・むず」 が2位。打消の「ず」 、反実仮想の は全否定「まったく~ない」 。「せ/ば」 の「せ」 「せば~まし」は反実仮想。 「のどけから/まし」は形容詞 る ~ る ム 「むず」 い マ 「まし」 ンで 「る」 ら 「らる」 、 す さ 「さす」 、 志 「しむ」 マ んで、 「す」 ~ す 村 ズ 「まほし」 「ず」 ラ。 ジ ム の ズ 「じ」 「む」 シ ホ死 ミ 未然形接続 ゼ
訳 は下に助動詞を伴って強意の意味で使われる場合が 「つ・ぬ
文法 ● 「言ひ/しか/ば」=ハ行四段活用動詞「言ふ」 +接続助詞「ば」 はワ行上一段活用動詞「率 ゐ る」の連用形。
古文 文法 続いて連用形接続の助動詞だ。 は過去推量の助動詞なので、連用形接続の助動詞は過去・ ことがわかる。ただし、 「つ・ぬ」 ● 在 の連用形+過去の助動詞「き」の已然形 は特殊な活用をするので注意。「率 2 連用形接続の助動詞 蹴 っ た り つ ぬ っ し 「けり」 「たり」 「つ」 「ぬ」 た 「たし」 、 危 「き」 「けむ」 よ 連用形接続 ! 険 だ う 「き・けり」
訳 あるので注意。 この男の家ゆかしくて、率 ゐ て行けと言ひしかば、率 ゐ て来たり。 (更級) この男の家が見たくて、この男に連れて行けと 言ったので 、男は私を連れて 来た。 。過去の助動詞「き」
ゐ /て」の「率 ゐ 」
束帯は、朝廷の儀式・ 着用した男子の正装。頭には 冠 かんむり を つけ、右手に 笏 しゃく を持つ。 束 そく 帯 たい
かりご ろも 狩 かり 衣 ぎぬ
衣服
古文文法 笏 しゃく 冠 かんむり こうぶり
古典 常識
4
飾 かざ り太 た ち 刀
文武百官が
単 ひとえ 行事の際に、天皇以下、
狩衣は、もとは鷹狩り用の 衣服で、平安時代中期以降 、 た。下に
貴族の常用服となっ 指 さしぬき 貫 または 狩 かりばかま 袴 をはく。鎌 倉時代以降は、少しあらた まった貴族の常用服となり 、 武士の武服としても用いら
れた。
にひと 「じふにひとへ」)
十 じゅう 二単 (歴史的仮名遣いは え
表 う ぎ 着 唐 からぎ 衣 わ
引 ひ き腰 ごし 裳 も
打 う ち衣 ぎぬ
ぬ
260 十二単は、女官の正装である女房装束の略称。 白 しろこそ で 小袖 に 緋 ひ の袴をつけ、その上に 単 ひとえ ・ 五 いつ つ 衣 ぎぬ ・ 打 う ち 衣 ぎぬ ・ 表 うわぎ 着 を重ね、 さらにその上に 唐 からぎぬ 衣 を着て、
腰には 裳 も をつける。 汗 か ざ み 衫 汗衫は、もとは汗取りの下着。平安時代中期以 降、内裏に奉仕する少女が用いた上着。 小袿は、高貴な女子の日常服。 唐 からぎぬ 衣 ・ 裳 も などを 着ないときに、上にうち掛けて着た上着。 小 こう ちき 袿 こう ちぎ
緋 ひ の袴 はかま
烏 え し 帽子 檜 ひおう ぎ 扇 ぼ
狩 かりぎ 衣 かりごろも
ぬ
261
裳 も
引 ひ き腰 ごし
名遣 ( 「なほし」)
な お し 直 の 衣 い 歴史的仮 は
う
し
文学史 は女性の肌着のこと。 衵 あこめ 水干は、 狩 かり 衣 ぎぬ の一種で庶民の普段着だったが、の ちに公家・武家の私服、 かん 干 直垂は、もと庶民服で、のちに公家や武士の 平服となった。室町時代以降は、武士が用いて出 仕の り江戸時代には 最上の礼服となった。 直 ひた たれ 垂 物語 威 伊勢物語 勢 のいい ヤ 大和物語 マト 君が「 ヘ 平中物語 ーイ、チュー ハイ♪」と 歌 歌物語 うたう 歌物語 としては『 伊 い 勢 せ 物 もの 語 がたり 』 『 大 やまと 和 物語 』 『 平 へい 中 ちゅう 物 語 』の三つがある。そのうち特に『伊勢物語』は 主人公・ 在 ありわらのなりひら 原業平 の名から『在 ざい 五 ご 中 ちゅう 将 じょう 物語』 『在 ざい 中 ちゅう 将 じょう 物語』 『在 ざい 五 ご が物語』とも呼ばれ入試で頻出。これら歌物 語は 紫 むらさき 式 しき 部 ぶ の 『源 げん 氏 じ 物語』に大きな影響を与えた 。 2 衵は、男性が 束 そく 帯 たい 姿の時に着用する衣服。また 指 さしぬ き 貫 烏 え 扇 ぼ し 帽子 檜 ひおう 直 の 衣 少年の晴れ着となった。 ぎ 水 すい
1 「正服・礼服でない 直 勅撰集 線 コースで コ 古今和歌集 キン 君が 五 後撰和歌集 千 円 拾 拾遺和歌集 っ 後拾遺和歌集 金葉和歌集 よって編ま
竹 取 ウ ショック! 竹取物語
ご
た 後
解説 直衣は、天皇や高貴な人々の日常服。 直 ただ の衣」の意。あらたまった時は 冠 かんむり 、くつろいだ時には し 帽子をつけ、 指 さし 貫 ぬき を着用する。 、 金 曜 日に 歯 後鳥羽院 と お ニ 新古今和歌集 ュー 勅 ちょく 撰 せん 集 しゅう とは天皇・院の命に 和歌集のこ と。「 八 はち 代 ②『 後 ご 撰 せん 和歌集 』、 ③『 拾 しゅう 遺 い 和歌集 』、 ④『 後 ご ⑤『 金 きん 葉 よう 和歌集 』、 ⑥『 詞 し 花 か 和歌集 』、 ⑦『 千 ⑧『 新 しん 古 こ 今 きん 和歌集 』 ( 後 ご 鳥 と 羽 ば 院 いん の勅命 )が重要。特に最初 の三つは「 三 さん 代 だい 集 」という。 『古今和歌集』の撰者である きの つら ゆき の歌論『 仮 か 名 な 序 じょ 』も大切。 し 之 烏 え ぼ だい 集 」の①『 古 こ 今 きん 和 わ 歌 か 集 しゅう 』、 拾 遺 しゅう い 和歌集 』、 せん 載 ざい 和歌集 』、 紀 貫
小 こうち 袿 こうち
ぎ 檜 扇
き
文学史
う
宇津保物語 ッホ ウッホ、 窪 落窪物語 みに 落 ちて 電 伝奇物語 気
和歌集
緋 ひ の袴 はかま になった 詞花和歌集 科 へ行って 洗 千載和歌集 剤
れた
ひおう
ぎ
286
祖 る 『源氏物語』以後の平安時代の物語群としては、 『 浜 はま 松 まつ 中 ちゅう 納 な 言 ごん 物語 』 『 堤 つつみ 中 ちゅう 納 な 言物語 』 『 夜 よる (半 (よわ) )の 寝 ね 覚 ざめ 』 『 狭 さ 衣 ごろも 物語 』 『 とりかへばや物語 』があり、 入試最頻出。 すべて源氏物語』の影響を受けており、 特に『夜 (半)の 寝覚』 『狭衣物語』にはその影響が大きい。 堤中納言物語 源 とりかへばや物語 源氏物語以後 氏の後 の 中 納言 、 浜松中納言物語 夜半の寝覚 覚め の 衣 狭衣物語 を 取 りかえ
解説 しょう 』を書いた。 ふじわらのさだいえ 原定家 は第八番目の勅撰集『 新 古今和歌集 』の撰者となり、父俊成の (しゅんぜい) (ていか) 俊 成 息子の 藤原俊成 君の 「 剤 者であり、また 、 価 も たに げん 」を理想とする歌論 幽 玄 ゆう こ 来 風 体 抄 てい 藤
でん 『源氏物語』の中で「物語のいでき始めの 『落窪物語』は 歌物語同様、
解説 物語』は おや なる 竹取の翁」と書かれていることでも有名。 はは いじめの内容をもつ。これら伝奇物語は 『源氏物語』に大きな影響を与えた 。 寝 伝 奇 物語 』 『 落 おち 窪 くぼ 物語 』の三つがある。そのうち『竹取 き 物語(作り物語) としては『 竹 たけ 取 とり 物語 』 『 宇 う 津 つ 保 ほ 継 母 まま
洗
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藤 た「 有 う 心 しん 体 たい 」を理想とする『近 きん 代 だい 秀 しゅう 歌 か 』 『毎 まい 月 げつ 抄 しょう 』を書い らい ふう
千載和歌集 定 藤原定家 新 新古今和歌集 ふじわらのとしなり 原俊成 は第七番目の勅撰集『 千載和歌集 』の撰 『古
「幽玄」を一歩進め
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