みんゴロ古文読解

 『大鏡』の特徴としては、全編が会話体であること があげられる。語り手としては、190歳の超老人 「 大 おお 宅 やけの 世 よ 継 つぎ 」と、その旧知の仲である180歳の「 夏 なつ

18 かがみ 』は平安時代後期に成立した「歴史物語」 。作 者は未詳。内容的には藤原道長の栄華を中心に、紀伝 体で記したもので、後世「鏡 かがみ 物 もの 」と呼ばれるものの最 初の作品。 『大鏡』は『今鏡』『水鏡』『増鏡』ととも に「四 し 鏡 きょう 」と呼ばれる 。  「歴史物語」というジャンルは、中宮彰子の女房 赤 あか 染 ぞめ 衛 え 門 もん がその一部を書いたと言われる『栄花(華)物語』 が最初のもので、藤原道長の栄華が中心に書かれてい 超老人の二人が百年以上も前の昔を思い出しながら 語ったものを聞き取ったという体裁をとっている。主 たるり手(大宅世継)の名前をとって『世継物語』 と言ったりもする。 『大鏡』は第三部でも扱うが、入試では敬語にから む問題が多く出題される 。今回の古文文法・虎の巻で ゴロゴプレミアム講義

『大 おお 鏡 る。一方『大鏡』も藤原道長の栄華を中心に書かれた ものだが、そこに歴史的な批判意識がある点が『栄花 物語』とは決定的に異なっている。 は「呼応の副詞」を扱ったが、それ以外にも、ざっと 見ただけでも「あそばす」「まふ」「おぼす」「おは します」「奉る」「候ふ」「おほす」などの敬語が多用 されているのがわかる。ここは第三部をにらみつつ、 敬語の先取り勉強をしてほしいところだ。

30 き 」がいて、その二人に質問する 歳の「若侍」 がいるという三人構成(ものすごいメンバーだね)。 雲 う 林 りん 院 いん の 菩 ぼ 提 だい 講 こう で説法が始まる前の退屈しのぎに、 山 繁 樹 やまの しげ

第二部

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