みんゴロ古文読解

お話としては、ある殿上人が「六」という名の女を 呼んだつもりが、使の者が間違えて呼んで来たのが 「録」という老人。いまさら本当のことも言えなくなっ

た殿上人が録を前にお茶を濁すという滑稽談。 発達したギャグセンスをもつ現代人(?)の私たち には、この程度のギャグがどうして当時おもしろい話 として『宇治拾遺物語』にまで採られたのか、と疑問 に思うところだが、まあ単純におもしろい話ではある、 としておこう。 今回扱う敬語の中では、まずは 「候ふ」が大切 。こ れは「そうろう(さうらふ)」あるいは「さぶらふ」 と読み、 謙譲語と丁寧語の二つの用法がある 。また、

22 ゴロゴプレミアム講義 今回の『宇治拾遺物語』は少し長文で、内容的にも 古文読解という点で練習になったはずだ。

第三部

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219 詞の場合は動詞の連用形に付いて尊敬の気持ちを表 す。「おぼしめす」などのように尊敬語をさらに強め る形で使われる場合もあり、それについてはP を参 照してほしい。 「参る」 は、今でも「神社にお参りする」と使うよ うに謙譲語が基本だが、尊敬語と丁寧語の用法もある ので要注意の敬語だ。なにせ ・謙譲・丁寧語 のすべてにまたがる ものだけ、文脈によってどの意

味で使われいるのかを判断しなければならない。古 文文法・虎の巻にも書いておいたが、上位大学では「参 る」は尊敬語としての用法を問われる場合が多い、と いうのは知っておいて損はないだろう。

丁寧語の場合は本動詞と補助動詞の用法がある。同じ ような用法をもつものとして「侍り」がある、中世 後期以降この「候ふ」が「侍り」にとって代わった。 「召す」は尊敬語のみの用法 。ただし本動詞の場合 はいろいろな動詞の尊敬語として使われ、また補助動

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