みんゴロ古文読解
02 ゴロゴプレミアム講義 この物語は短編集というところが特徴で、以下のタイ トルのものでできている。「花桜折る少将」「このつい で」「虫めづる姫君」「逢坂越えぬ権中納言」「はなだ の女御 「はいずみ」 「ほどほどの懸想」 「貝合はせ」 「思 はぬ方にとまりする少将」「よしなしごと」。全部短い 文章で、内容も比較的容易なので一読してみるのもい いかもしれない。 などがあるが、どれも『源氏物語』の影響を受けてお り、いかに『源氏物語』の存在が大きかったかがわかる。 文学史ゴロとしては、 「中納言、寝覚めの衣とりかへる」 と覚える。 『浜松中納言物語』『夜の寝覚』は、あの菅 すが 原 わらの 孝 たか 標 すえの 女 むすめ が書いた と言われている。彼女の日記である『更 な ごん もの がたり 』は平安時代後期に成立した物語 。
「はいずみ」はおしろいとお歯黒とを間違って塗って しまう滑稽談。などなど、それなりに当時は面白がっ
つつみ ちゅう 君」は、服装などがすべて当時の伝統慣習に反逆した 姫君が、毛虫などの恐ろしげな虫を愛するというお話。
『 堤 中 納 言 物 語 「花桜折る少将」は好きな美女と間違えて老尼を連 れ出してしまうというオチ。今回扱った「虫めづる姫
第一部
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級日記』を読めばわかることだが、彼女は『源氏物語』 大好き少女で、一種のマニアのレベル。それだけに『源 氏物語』に対する思い入れはものすごく、その彼女が 『源 影響を受けてこれら作品を書いたの は当然と言えば当然と言える。
て読まれたのではないかと思われる内容をもつ。 文学史的には、『源氏物語』の影響を受けて成立し た平安時代の物語群ひとつとして入試に頻出する。 『源氏物語』以後の平安の物語としては、『 浜 はま 松 まつ 中 ちゅう 納 な 言 ごん 物 もの 語 がたり 』 『夜 よる の寝 ね 覚 ざめ 』 『狭 さ 衣 ごろも 物 もの 語 がたり 』 『とりかへばや物語』
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