みんゴロ古文読解
ゴ 与える)」場合が多く、また頂いた側はそれを肩にか けるという動作で、「かづく(=褒美を頂く)」のが作 法だった。その様子を想像するとなかなか風情がある ように思えるね。 威勢 のいい大和君が、 「ヘーイチューハイ」 と歌うたう のだから誰も逆らえなかっとも言えるかな。 当時、和歌をすばらしく詠んだりした場合の褒美と しては、今回のように着物を「づく(=褒美として 『 大 和 物 語 代中期に成立した「歌物語」 。平安の歌物語は、その 後成立した『平 へい 中 ちゅう 物 もの 語 がたり 』を入れて全部で三つ。 ゴロは「威勢のいい大和君が、『ヘーイチューハイ』 と歌うたう」。「威勢 → 『伊勢物語』 」、「大和君 → 『大 和物語』 」、「ヘーイチューハイ → 『平中物語』 」、「歌 うたう → 『歌物語』 」と、なかなかうまく入っている ゴロのつもり(笑)。 『大和物語』は「歌物語」とは言うものの、やや説 話的で、「 姨 おば 捨 すて 山 やま 」のお話などが入っている。その意 もの がたり 』は前回の『伊勢物語』についで平安時 やまと 味では比較的読みやすい文章だ。また『伊勢物語』の ように一人の主人公がいるわけでもなく雑多な短編集 といっていい内容になって 。 今回は、「亭子の帝」が大江の玉淵の娘が詠んだ和
06 ゴロゴプレミアム講義
歌に感動して涙まで流し、さらには褒美として着物を 「たまふ(=お与えになる)」というお話。 まわりの上 かん 達 だち 部 め たちも酔っ払っていたとはいえ、褒 美の着物が積み上がって二間(3m以上)にもなった というだから、大した感動ぶり。まあ、帝の命令
第一部
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