みんゴロ古文読解
して口語訳を間違ってしまったという苦い経験の持ち 主なのだ(自己採点の時気が付いて真っ青になり、落 ちたと思って実家に帰らず逃亡した……合格しててよ かった)。
で(=出ないで)」だとまるで違うものになるぞ。実 はこう言っている私自身が二次試験で「で」を見落と
ここで扱った文法では、まず「打消語」が最重要。 どんな上位大学においても、打消語は古読解の鍵 握るもので、特に「ず」と「で」には気をつけよう。 「ず」 は活用の確認を必ずもう一度やること。 「で」 は「て」 と読み間違えないこと。「出でて(=出て)」と「出で
11 『伊勢物語』 も二回目の登場となるので、文学史的 な解説は省略して、内容と文法の説明をくわしくやっ ていこう。 ゴロゴプレミアム講義
第二部
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次に「意志・願望表現」をまとめておいたが、終助 詞にはすべてゴロがあるので、訳はゴロで覚えるとし て、接続や意味の確認をしておこう。また、 助動詞で は圧倒的に「む」が大切 だが、 ためらいがちな意志・ 希望の「まし」が穴的存在 。反実仮想の「まし」だけ しか覚えていないようでは入試では通用しないぞ。 さて今回の『伊勢物語』の内容は出家がらみ。惟 これ 喬 たか の親 み 王 こ は血筋のうえで皇太子になれなかった不遇の親 王。これはある意味『伊勢物語』の主人公の 在 あり 原 わらの 業 なり 平 ひら
と同じ境遇と言っていい。そこで、今回の内容もそ うした惟喬の親王が突然出家したことに対して同情的 な内容になっている。 「 御 み 髪 ぐし おろす」は「出家する」ことだが、これ以外 にも「頭 かしら おろす・飾りおろす」、「世を出 い づ・世を厭 いと ふ・ 世を捨つ・世を 背 そむ く・世を 遁 のが る・世を 離 はな る」「かたち を変ふ・様を変ふ」などが 「出家する」 という意味を もつ。
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