みんゴロ古文出典

⑤ 入試頻出古文

1 第 位 ~ 第 位 10 「 」 失った幼い玉鬘は乳母に連れられて筑紫に下っていった。筑 紫で育っ玉鬘ではあったが教養ある美しい女性へと成長 し、田舎貴族の強引な求婚から逃げるために苦しい上京の旅 をていた。 ★「見ゆべくも構へず」の「 べく 」は下に打消「ず」を伴っ て可能。 構へず は几帳などを立てた部屋の様子につい て述べたものである。 『源氏物語』はストーリー の把握が最も重要。 全 帖の内容をしっかり つかんでね。 走を出すのが実良い。人に物をあげるのも、何のきっ かけもなくた自然あげるのが本当の厚意というもの だ。その品物を惜しむふりをしたり、相手に欲しいと言 わせようとしたり、勝負に負けたのにかこつけてあげる のは見苦しい。 54 掲載古文の読解上の ポイントを解説。 ⑦ 読解ポイント 読解ポイント た夕顔は六条御息所の生霊に襲われて急死。夕顔に仕えてい た右近は秘密を守るために光源氏に仕えるこになり、母 は取り返せないのだ。一生のうちで何が一番大事なこ かを決めて、その一つを一生懸命にやるべきだ。あれも これもと執着していては、結局一事も成就することはで きないのだ。

22 「玉鬘」の巻の一場面。玉鬘は光源氏が若い頃に恋した夕顔 の忘れ形見。父親は頭の中将。光源氏と秘密デートをしてい 人はこれを面白いと言っていたが私もそう思う。 わざとらしく趣があるよりも、自然で平凡なのが良い のだ。客にご馳走する際も、うまいタイミングで出すの も良いが、ただ何ということもなく、偶然のようにご馳 ながら、ついつい怠けて過ごし、目前のことばかりに気 を取られて月日が過ぎてしまい、結局何も成し遂げずに 年老いてしまう。一つの道の熟達者もなることもでき ず、思ったように出世もしない。しかし後悔しても年齢

夕 わしい人がいないなら私にください』と言ったなら、も っと立派だっただろうに」と入道が言ったそうだ。ある は説経を習う時間がないまま年をとってしまった。 世の中にはこうしたことがよくある。若いうちは、立 身出世し芸能も学問も身につけようと将来の計画を立て

⑥ 古文と口語訳 と人々は思った。その話をあるが北山の太政入道話 したところ、「それは少し嫌味だな。『鯉を切るのにふさ 磨 酒などを勧められたときに、法師で芸がないのも施主が つまらないだろうと思い、早歌を習った。この二つがど んどん上達していくのがうれしくて励んだが、その息子

10 習った。導師として招かれるときに、馬に上手に乗れず に落ちたら情けないと思ったからだ。次に、仏事の後で ることにしていますから、その鯉をいただきましょう」 と言って料理したのは、その場にふさわしく興趣がある

1 位 3 須 1 位 2 位 ある人が自分の息子を法師にしようと、「学問をして 因果応報の道理を知り、説経などをして生計を立てなさ い」と息子に言った。息子は教えに従い、まず馬乗りを 園 その の 別 べっ 当 とう 入 にゅう 道 どう は、 類 たぐい まれな料理人である。ある人の 邸で立派な 鯉 こい が出たので、人々は彼の包丁さばきを見た いと思ったが、軽々しく頼むことをためらっていた。別 当入道は気の利いた人で、「修行のために百日間鯉を切 一八八段 「或者、子を法師になして」 二三一段 「園の別当入道は」 代語訳を掲載。 口語訳は赤チェック シートで隠せます。 顔

ベスト までの作品中、 入試に頻出する箇所の現 ダイジェスト

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易   難 次の文章は、今は亡き夕顔の女君の遺児、玉鬘のゆくえを知ろうとして、夕顔の女房であった右近が大和国泊瀬の観音に 祈願した時に、その右近が泊瀬の宿坊で玉鬘の一行と泊まり合わせた場面である。 『源氏物語』 東京大学 入試 出題箇所を チェック !

DATA FILE 御すみかまでありし者なりけりと見なして、いみじく夢のやうなり。主とおぼしき人は、 いと ゆかしけれ ど、見ゆ べ ※ く も 構へ ず。 思ひわび て、「この女に問はむ。 兵 ひゃう 藤 とう 太 だ といひし人も、 これにこそあらめ。姫君のおはするにや」と思ひ寄るに、いと 心もとなく て、この中隔てなる 三条を呼ばすれど、 食 くひ 物 もの に心入れて、とみにも来ぬ、いと憎しとおぼゆるも、 うちつけなり や。 全大学で出題されるキ ングオブ古文。上位大 学ほど頻出箇所を避け て出題する傾向。 例 ならひにければ、かやすく 構へ たりけれど、 かちより 歩みたへがたくて、 寄り臥したるに、この 豊 ぶん 後 ごの 介 すけ 、隣の 軟 ぜじゃう 障 のもと寄り来て、参り物なるべし、 折 を 敷 しき 手づから 取りて、「これは 御 お 前 まへ に参らせたまへ。 御 み 台 だい などうちあはで、 いと かたはらいたし や」と言ふを聞くに、わが 列 なみ の人にはあらじと思ひて、 物のはさまよりのぞけば、この男の顔見し心地す。誰とは え おぼえ ず 。 いと若かりしほどを見しに、ふとり黒みて やつれ たれば、多くの年隔てたる目には、 ふとしも見分かぬなりけ。「三条、ここに召す」と、呼び寄する女を見れば、 また見し人なり。故御方に、下人なれど、久しく仕うまつり 馴 な れて、かの隠れたまへりし お屋敷にまでお供していた者だよとわかって、たいそう驚き夢のような気がする。主人と思われる人を、 たいそう 見てみたい が、見ることが  できる 部屋の作り ではない。 思い悩ん で、「この女に尋ねよう。昔、兵藤太といった人も、 き とこの男のことなのだろう。姫君が らっしゃるだろうか」と考えると、たいそう 気がかり で、この中隔ての所にいる 三条を呼ばせるが、三条は食べ物に夢中になっていて、すぐに来ないのを、とても腹立たしいと思うのも、それは 軽率である よ。 右近は いつも このような参詣には慣れていたので、軽く 準備し ていたけれども、 歩いて 来たので苦しくて、 物に寄りかかって臥せっていると、この豊後介が、隣の幕の所に寄って来て、召し上がる物でもあるのだろう、 四 角 い 盆 を 自 分 の 手 で 取 っ て、「 こ れ を あ の 方 に 差 し 上 げ て く だ さ い。お 膳 な ど が 間 に 合 わ な い で、 たいそう 心苦しい ことでございます」と言うのを聞いて、そのお方は自分程度の人ではないだろうと思って、 物の隙間からのぞくと、この男の顔を見たことがあるような気がする。誰とは思い出す ことができない。 たいそう若かった頃を見たのだが、今は太って色も黒くなり 粗末な身なりをし ているので、長い年月を隔てて見ると、 すぐには見分けがつかないのであった。「三条、こちらにお呼びだ」と、豊後介が呼び寄せる女を見ると、 これ た見たことのある人である。亡き夕顔様に、下働きではあるが、長年お仕えし続けて、あの身を隠していらっしゃった

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⑧ DATA FILE

作品の難易度・ 入試出題傾向を記載。

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