新・ゴロゴ漢文問題集 基礎・必修編 v1.01
鷹の従順であったり反抗的あったりという性質を利用し て、思い通りに鷹を操るには空腹時と満腹時の見きわめが肝 心である。 長時間満腹にさせておいてはいけないし、長時間空腹さ せておいてもいけな。 書き下し文 現代語訳 鷹 たか を放 はな つ 白 はく 居 きよ 易 い 十 じふ 月 ぐわつ 鷹 たか 籠 かご を出 い で、草 くさ 枯 か れて雉 ち 兎 と 肥 こ ゆ。 韝 こう より下 くだ りて指 し 顧 こ に随 したが ひ、百 ひやく 擲 てき して一 いち 遺 ゐ 無 な し。 鷹 たか の翅 つばさ 疾 はや きこと風 かぜ のごとく、鷹 たか の爪 つめ 利 するど きこと錐 きり のごとし。 本 もと 鳥 とり の設 まう くる所 ところ と為 な り、今 いま 人 ひと の資 し する 所 ところ と為 な る。 孰 たれ か能 よ く之 これ をして然 しか らしめん、術 じゆつ の甚 はなは だ知 し り易 やす き有 あ り。 其 そ の向 かう 背 はい の性 せい を取 と り、制 せい するは飢 き 飽 はう の 時 とき に在 あ り。 長 なが く飽 あ かしむべからず、長 なが く飢 う えしむ べからず。 飢 う うれば則 すなは ち力 ちから 足 た らず、飽 あ けば則 すなは ち人 ひと
鷹の翼は風のように速く、鷹の爪は錐のように鋭い。 翼や爪はもともとは鷹のために付けられたものだが、今で は人に利用されている。 誰が翼や爪を利用できるようにしていのか、とても簡単 に操る方法がある。
124 鷹を放つ 白居易 十月になると鷹は籠を出て、野の草が枯れ、獲物となる雉 や兎が肥え太る。 鷹は韝から下りて鷹匠の指示に従い、百回放たれて一回も 失敗することはない。
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