新・ゴロゴ漢文問題集 基礎・必修編 v1.01

第5講 再読文字2

書き下し文 のように、酔ったり夢見たりするだけで、ひとかたまりの土 くれ同然の者は、生きているといっても、すでに死んでいる 人間とどこも異ならない。 人 ひと の斯 こ の世 よ に生 う まるるや、但 た だ已 すで に死 し せる 者 もの を 以 もつ て 鬼 き と 為 な すを 知 し るのみにて、 未 いま だ死 し せざる者 もの も亦 また 鬼 き なるを知 し らざるな り。 酒 しゆ 甕 をう 飯 はん 嚢 なう の、 或 ある いは酔 ゑ ひ或 ある いは夢 ゆめ み、 塊 かい 然 ぜん たる泥 でい 土 ど のごとき者 もの は、則 すなは ち其 そ の人 ひと 生 い けりと雖 いへど も、已 すで に死 し せるの鬼 き と何 なん ぞ異 こと ならんや。 現代語訳 「ただ~のみ」と訓む。限定形で 「~だけ」の意。 (→第

重要語句

5 ▪ 以A為B 「AをもってBとなす」と訓む。「AをBとみなす」の意。 ▪ 但 「唯」 「惟」などと同じく

人がこの世に生まれたときには、すでに死んだ者を死者と みなすことを知っているだけで、まだ死んでいない者が死者 であることもあるということを知らない。酒のかめや飯の袋

22講参照)

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