新・ゴロゴ漢文問題集 基礎・必修編 v1.01
第 講 否定 13
。本文3行目 「その(蓮
解答
5 」「非」を重ねると、原則として強い肯 定となる(ただし、「非」が上にくる場合は弱い肯定となるが、これは次の講で扱う) にある「莫不称其徳矣」が典型的な二重否定の構文で、 「其の徳を称せざる莫し」と訓み、 の)徳を称賛しないものはない」と解釈できる。 さて、傍線部の一文は、否定語の「無」と「不」で名詞の「一」を挟んでいる。これは構文とし て覚えておこう。 「無A(名詞)不B(動詞)」の形で、 「AとしてBせざるなし」と訓み、「Bしな いAはない(どんなAもBする)」という強い肯定の意となる。 なお、傍線部の一文では、文末に形式名詞の「者」が補われているので、 「者」から「無」に返り、 「一として人の採択に資すべからざる者無し」と訓めば良い。 この時点ですでに正解は で確定しているが、解釈もしておこう。直訳すれば、「一つとして人 二重否定に関する問題 である。否定語の「不」「無(莫)
5 の採択に資することのできないものはない」となる。本文では、蓮は実から茎・節に至るまであら ゆる部分が役に立つと述べられ た。傍線部の「一」とは「蓮の一部分」のことである。これを 踏まえて意訳すれば、「蓮はどこの部分も人に資する」となる。よって、 は解釈も適当である。 5
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