新・ゴロゴ漢文問題集 基礎・必修編 v1.01

第23講 累加1

重要語句 書き下し文 うには、「公は管仲の言葉どおりに行い下さい」と。鮑叔は 管仲を推薦しただけでなく、このように見えないところでう まく 補佐てもいのである。真に理解者とうべき である。 鮑 はう 叔 しゆく 固 もと より已 すで に管 くわん 仲 ちゆう を微 び なりし時 とき に識 し る。仲 ちゆう 斉 せい に相 しやう たるは、叔 しゆく 之 これ を薦 すす むればな り。 仲 ちゆう 既 すで に 相 しやう たりて、 内 うち に 政 せい 事 じ を 修 おさ め、 外 そと に諸 しよ 侯 こう を連 つら 。桓 くわん 公 こう 毎 つね に之 これ を鮑 はう 叔 しゆく に質 ただ す。 鮑 はう 叔 しゆく 曰 い はく、「 公 こう は 必 かなら ず 夷 い 吾 ご の 言 げん を 行 おこな へ」と。叔 しゆく 惟 た だに仲 ちゆう を薦 すす むるのみなら ず、又 また 能 よ く之 これ を左 さ 右 いう すること此 か くのごと し。真 まこと に知 ち 己 き なり。 現代語訳 ▪ 固 副詞では「もとより」と訓む。「本来・もともと」の意。 ▪ 相 動詞では「(~に)しょうたる」と訓む。 「宰相(大臣)として仕える」の意。 ▪ 「管鮑の交わり」 管仲は、政争に巻き込まれて死罪にされかかったときに、貧しかった頃からの 友人であり、その能力を高く評価していた鮑叔に助けられ、大臣に登用されたという経緯 がある。「管鮑の交わり」は、 「生涯変わらぬ無二の友情」を意味する故事成語として用い られる。 鮑叔はもともと管仲のことを身分の低い時 りおさめ、外交では諸侯を糾合した。桓公はことあるごとに これ(管仲の施策)を鮑叔に問いただした。鮑叔が答えて言 から知ってい た。管仲が斉の宰相となったのは、鮑叔が推薦したからであ る。管仲は宰相となってからというもの、内政ではこれを執

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