新・ゴロゴ漢文問題集共通テスト編 オンライン限定コンテンツ版
して 已 すで に 及 およ べば、 則 すなは ち 曰 い はく、「 始 はじ め 爾 なんぢ に魚 うを を貨 う るに三 さん 十 じふ 銭 せん を約 やく するなり。今 いま 乃 すなは
として遥 はる かに槳 しやう 艇 てい の甚 はなは だ急 きふ に、飛 と びて大 たい 謂 い ふ、「 此 こ れ 必 かなら ず 大 たい 魚 ぎよ を 得 え たるか。 将 まさ に 喜 よろこ びて 復 ま た 来 き たらんとするか」と。 頃 しばら く 舟 しう を趁 お ふを見 み る。吾 われ と公 こう と咸 みな 愕 がく 然 ぜん として
帰 かへ す」と。 魯 ろ 公 こう 笑 わら ひて 之 こ れを 却 しりぞ く。 再 さい 三 さん
過 よぎ り、漁 ぎよ 艇 てい の往 わう 還 くわん 上 じやう 下 げ するを睹 み る。魯 ろ 公 こう
数 すう のごと銭 ぜに を以 もつ て之 こ れに畀 あた へしむ。 去 さ り 来 き たりて 未 いま だ 幾 いくば くならざるに、 忽 こつ
小 せう 大 だい 又 ま た 斉 ひと しからず。 其 そ の 直 あたひ を 問 と へば、
ち其 そ の一 いつ 多 おほ し。是 これ を用 も つて来 き たりて爾 なんぢ に
吾 われ に 命 めい じて 一 いつ 艇 てい を 呼 よ び 得 え て 来 き たらしめ、
る。吾 われ 公 こう に侍 じ して舟 しう 行 かう し、一 いち 日 じつ 新 しん 開 かい 湖 こ に
戯 たはむ れに 魚 うを を 售 か ふこと 二 に 十 じふ 鬣 れふ ばかりなり。
曰 い はく、「三 さん 十 じふ 銭 せん なり」と。吾 われ 左 さ 右 いう をして
書き下し文 現代語訳
大 たい 観 くわん の 末 すゑ 、 魯 ろ 公 こう 宮 きゆう 祠 し を 責 つと めて 浙 せつ 右 いう に 帰 かへ
漁船が去ってからいくばくもしないうちに、突然遠くに急 いで(私たちの乗る)大舟を追ってくる姿を見た。私も魯公 も驚いて言った、「きっと魚を得たにちがいない。それで 喜んでもう一度売りに来ようとしているのだ」と。しばらく して(私たちの舟に)追いつくと、漁師が言うには、 「さきほ
宋の大観年間の末年のこと、父の魯公は宮祠の任を務め終 えて隠居所の浙右に帰った。私は魯公のお供をして舟で行き、 ある日、新開湖を過ぎたあたりで、小さな漁船が行き来する のを見た。魯公は私に命じて一艘 そう の船を呼び寄せさせ、おふ ざけで二十尾ほど魚を買った。魚の大きさふぞろいだった。 値段を問うたところ、(漁師が)答えるには 「三十銭です」と。 私は傍らの従者に命じ求められた金額どおお金を渡させ た。
魯公は笑ってそれを断った。(しかし)何度断っも漁師は 返すと言って聞かなかった。結局、一銭を返して去っていっ
ど三十銭という取り決めで魚を売りました。ですが一銭多く お支払いになっていたようです。それで返しに来ました」と。
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