新・ゴロゴ漢文問題集共通テスト編 オンライン限定コンテンツ版
第 6 講 周煇『清波雑志』
問5 解釈問題 「以A為B」は、 「以為」と熟語にして「おもへらく」と訓むことがある。 傍線部は、Aにあたる「厚‐薄」と、Bにあたる 「以厚為隆、 以薄為殺」となる。そのようにして解釈したのがそれぞれの選択肢である。「隆」を「ていねいに教え (る)」 、「殺」を 「いいかげんに教える」と解釈している点は、全ての選択肢に共通する。よって、「厚‐ 薄」の意味するところが正解を決めるポイントとなる。 そこで、傍線部の直後にある、「亦た笑ふべし(亦可笑矣) 」という文言に注目しよう。傍線部のよう 「ていねいに教え」たり「いいかげんに教え」 たりと態度を変える最近の教師ども(今教子 弟)は、笑止千万だと張無垢は言うのである。 選択肢を見よう。 「評判」、 「報酬」、 「期待」、 「温厚」、 「親密」と並んでいて、どれ 「AをBとみなす」の意 「隆‐殺」が対になっており、分解すれば、 。「為」には
「思う」の意があり、
に「厚‐薄」で 問6 内容合致問題 大問の最後に置かれていることの多い内容合致問題は、見かけ上は本文全体の内容を問うているが、 正誤の判定に関わるのは、本文の特定の部分である。たいていの場合、選択肢文が長いので、 要素に分 けて、それぞれを本文の該当する箇所と照らし合わせていこう 。
1 「どんな子どもでも」が誤り。問3で見たとおり、鉅公は、名家の跡取 えない。 「他の教師の教えも受けさせるべき だ」とする記述が本文にナシ。張無垢は、どんなにいやしく人 情味がない子であっても誠心誠意教えると述べるのみであって、「他の教師」には言及していない。 「その生来の性格を傷つけないように配慮した」が誤り。傍線部Dの直前に「恐其埋没及傷損之」と あるが、指示語の「之」は 「醇謹及俊敏者」を受けており、 「生来の性格を傷つけない」ということではな い。一読して良さそう内容の選択肢ほど、慎重な検討を要す。 「常に全力を尽くして教えることが 教師の務めである」が、問5で見た内容に合致する。報酬の多 少や、子弟の良し悪しに関係なく、ベストを尽くす者が本物の教師と言える。 よって、正解は と判定できる。 を選んだ人もいるかもしれないが、「傷損」 客語が之=醇謹及俊敏者であることに注意しよう。 1 3 4 5 5 4
2 りが振るわない事例を引用 して、子の学業が進まないことを理由に辞職を考えている家庭教師を引きとめようとした。「熱心に教 え」たとしても、「勉学にはげむようになる」 とは限らない。 と同様に「どんな子どもにも」が誤り。 「ある程度の学力を身につけさせることはできる」とも言
「Aを以てBと為す」と訓み、 が教師として最も笑うべき態度であろうか? ギャラが高ければ一生懸命教えるけれども、安ければ適 当になるというのが一番みっともない。よって、 は と判定できる。 これに対して、張無垢はどんな家の子弟を教えるときも一点の嘘偽りの心も生じない(不敢萌一点欺 心)という。それゆえ、本文の筆者(周煇) は、その大きく充実した忠実な真心は敬って仰ぎみるべきだ (渾然忠厚之気、可敬而仰之)と称えたのである。 正解
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