新・ゴロゴ漢文問題集共通テスト編 オンライン限定コンテンツ版
士 し 人 じん 解 かい 悟 ご し、其 そ の迹 あと 遂 つひ に安 やす し。
積 せき 日 じつ 業 げふ 進 すす まず、踧 しゆく 踖 せき として退 しりぞ かんと欲 ほつ す。
く、「 名 な は、 古 こ 今 こん の 美 び 器 き にして、 造 ざう 物 ぶつ 者 しや 深 ふか く之 これ を吝 を しむ。前 ぜん 人 じん 之 これ を取 と ること多 おほ け れば、 後 こう 人 じん 豈 あ に 応 まさ に 復 ま た 得 う べけんや」と。
鉅 きよ 公 こう 之 これ を覚 さと り、置 ち 酒 しゆ し、汎 ひろ く昔 むかし より名 めい 流 りゆう の 後 こう 嗣 し 類 おほむね 振 ふ るはざるを 引 ひ き、 且 か つ 曰 い は
啻 た だに常 じやう 人 じん の宝 たから を愛 あい するが如 ごと く、唯 た だ其 そ
の埋 まい 没 ぼつ 及 およ び之 これ を傷 しやう 損 そん するを恐 おそ るるのみな
び俊 しゆん 敏 びん なる者 もの を見 み れば、之 これ を愛 あい すること
兄 けい の託 たく に負 そむ く。 頃 このごろ 、 一 いち 鉅 きよ 公 こう 客 かく を 招 まね き 子 こ を 訓 をし へしむ。
はず、狎 な るれば則 すなは ち己 おのれ に利 り あるも其 そ の父 ふ
なれば則 すなは ち子 し 弟 てい に利 り あるも久 ひさ しくする能 あた
書き下し文 現代語訳
張 ちやう 無 む 垢 こう 云 い ふ、「 某 それがし 人 じん 家 か の 子 し 弟 てい の 醇 じゆん 勤 きん 及 およ
家 か 塾 じゆく を 典 つかさど るは 其 そ の 人 ひと を 難 かた しとす。 厳 げん
張無垢が言うには、「私はその家の子が素直でつつしみ深 く、さらには頭の回転が速いのを見ると、彼に注ぐ愛情は、
さん取 しまったら、後世の者は先人同じように名声を 得ることはできない」と。教師は主人の真意を理解して、そ の後は安心して子の指導にあたった。
して言うには、「名声というものは古から今に伝わる美器で あって、造物者も気前よく与えようとはしな。先人がたく
がそう思っていることに気づき、酒宴の席を設けて、昔から 名家の跡取りはたてい振わないとう事例を広汎に引用
身にとっては良いが、父兄の信託に背くことになる。 近ごろ、ある有力者が客人を家庭教師に招いて子に教えさ せた。日数を重ねても学業は進まないので、その教師はおそ れつつしんで辞めようと思った。すると、その有力者は教師
私塾を運営するにあたっては、どのような教師を採用する かが難しい。厳しく指導する教師であれば、子弟のためには なるが、長続きしない。親しみのある教師であれば、教師自
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