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解説 私たちにしみ込む「見えない権力」について指摘したのが、例文で筆者が挙げているフランスの思想家フーコー です。フーコーは、 「生―政治」(意訳すれば 「私たちの生身の身体を支配する政治」です)という概念を用いて、 「近 代国家の国民が、そのように、自らの意志によって率先して『服従する』ように なる状態」について説明しました。

時計の時間を守って行動できようにするための、訓練の場と言えるかもしれません」と述べました。最初は先生 に言われてやっていたものが、周囲のクラスメイト視線も感じながら、しだいに時間割どおり教室を移動した りするようになります。それは、効率を重視る近代社会の要請よるもです。 このように、私たちの身体には知らぬ間に権力しみ込んでます。 「見えない権力」が怖いのは、私たちが自 発的に従って(いるように思い込んで)おり、 それゆえにそれが「権力」であるとは意識されないところです。 フー コーが指摘したのはまさにその点でした。

7 フーコーが例として引いたのが、イギリスの功利主義の思想家ベンサムが構想した、パノプティコンと呼ばれる 監獄(刑務所)監視システムです。パノプティコンは、看守塔が中央にあり、それを取り囲むように円形に囚人 の個室が配置される構造になっていて、看守からはすべての囚人の個室が見える一方で、囚人は看守の姿を確認す ることができません。すると、 囚人は看守がいるかいないかにかかわらず、看守につねに監視されていると感じて、 規律を守って行動する ようになると言うのです。 これは監獄という特殊な環境による思うかもしれません。しかし、基本テーマ 「時間」で、 「学校というのは、

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