語彙・テーマ
2 大衆 組織されていない匿名的な人々の群 れ。旧来の共同体が弱体化した現代 社会は大衆社会であると言われる。 (発展テーマ 「共同体」参照) ・儀礼的な。 なう位置へと変化してきた。 マス・メディアがつくりだす文化も、 したがって大衆文化の多くも、文化という次 抵抗表現を核にした下位文化とはとてもいえ と変貌している。大衆文化のつくり手のもつ りでないと も、大量生産のかたちを介す は大衆社会に固有の権威的構造・秩序のなか に組み込まれざるを えない。フォーマルな、 のある文化に押 さえつけられた大衆 文化がある、という図式は崩れ、たとえばクラシック音楽とポピュ ラー音楽との落差にか んして私たちがまだな んとなく感じてい る、「高級―低級」という文化秩序も実際的には( 文化生産とそ の消費のありようとしては)逆転しつつある。 (中西新太郎「文化的支配に抵抗する」) 語句 逆 転 権威ある文化 (例:クラシック音楽) 大衆文化 (例:ポピュラー音楽) フォーマル 正式な・公式な。形式的な 政治権力との対抗関係がないという意味で ディアは、全体として、現代社会の権力と権威 意識がこの秩序どお るかぎり、大衆文化 〈例文〉 マス・メ ない権威的な存在へ 元のうえで、弱者の
はないが、 的秩序の一端をに
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