語彙・テーマ

1 解説 リカちゃん人形が発売されたのは一九六七年、高度経済成長まっただなかの時期でした。本名は「香山リカ」。 十一歳の小学五年生で、明るくてちょっぴりあわてんぼう、趣味はおかし作りというキャラ設定がされています。 お父さんは「香山ピエール」という名前のフランス人で音楽家、お母さんは「香山織江」ファッションデザイ ナー、発売当初はお姉さんもいました。 高度経済成長期に形成された核家族 (発展テーマ 「家族」参照) を前提と しながら国際結婚や社会に出て活躍する女性といた子どもたちの憧れのイメージを付与して作られたのが、 「リ カちゃんファミリー」という「物語」でした。

リカちゃん人形は本来、このような詳細な設定を踏まえて「ごっこ遊び」をすることを目的としたものでした。 しかし、最近では、他の作品のキャラクターとコラボしたり、発売元以外の企業CMやベントに登場たりす るようになりました。もともとのキャラ設定から自由になっ、活躍の場を広げているのです。 これを「記号」という観点から説明すると、 家族ではない他の「記号」との結びつきによって、新たな世界を切 り開いている と言えるでしょう。言葉だけが「記号」ではありません。私たちはさまざまな「記号」を操り、意味 を創造しているのです。

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現代文テーマ

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