語彙・テーマ
らです。たとえ学校でテストの点数が悪くても、仕事で大した業績が残せなくても、最後にその人を裁くのは神な のですから、んに や仕事で成績として評価できます。「人間が人間を本当に判断したり評価したりでな いという限定があるからこそ、逆説的だが、人間の成績評価が可能」なのです(「~からこそ」という逆説を導く 表現にも注目してください)。 これに対して、 日本には唯一絶対の神は存在しません。そのため、人間による評価が、その人にとっての絶対的 な評価と受け止められてしまいます。 例えば、偏差値というのは本来、母集団の中で自分がどこに位置するかを示 すだけで、その人の人格とは関係ありません。それなのに、その数字で序列化され、小数点以下のレベルで争う 偏差値を過度に崇める人も、逆に、極端に毛嫌いす人も同じ過ち犯しいると言えるでょう。
解説 重要語5「絶対/相対」の例文の解説で、キリスト教における終末思想について触れました。キリスト教におけ る神は、この世界を創りたもうた、唯一にして絶対なる存在です。ですから、天国行きか地獄行きかも、神がこの 世でのその人の振る舞いを見て、終わりの日に決めます(神はすべての人に無償の愛を降り注いでいますから、誰 もが天国に行けるですが)。 このように、人間に対して判断・評価を下せるのは神だけであって、人間にはで きません。しかし、だからこそ、 人間が人間を評価することが可能になります。それは、 その評価がその人の価値を絶対的に決めるものではない か
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