語彙・テーマ
1 基 本 重要語1「具体/抽象」で、言葉は具体的なものを抽象化して 言い表す働きをすると説明しました。また、重要語3「象徴」で は、言葉は具体的な事物に観念的な意味を含ませる象徴の働きが あるとも述べました。 言葉とは、一対一の関係で具体的な事物を 指し示す、たんなる記号ではけっしてありません。 「抽象」や「象 徴」の働きがあるからこそ、豊かで広がりのある世界を表現する ことができるのです。 ここで、赤ちゃんがどのようにして言葉を覚えていくのかを考 えてみましょう。お母さんが家で飼ってい るネコを指差して、 「ニャンニャンだよ」と教えます。赤ちゃんは、 この時点ではまだ、 その指差された対象(ネコ)だけが「ニャンニャン」だ考えて います。一対一対応の記号にとどまっている段階です。 その後、ベビーカーに乗せられてお散歩に行くと、お母さんは 言葉は世界を分節化する。 言語 ①
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