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「循環する時間」を「環として巡る生物時間」 一方、生き物 (人間も含めて)は「循 当であると言えるでしょう。

5 「時間の矢」の思想については、重要語 「絶対/相対」の例文(本項と同一出典です)にも出てきましたね。 キリスト教の世界観(終末思想)では、この世の時間は神の裁きが下る終わりの日に向かって流れている。 このよ うな「時間の矢」の思想と、一定のスピードで進む「計の時間」と組み合さって、効率化を目指す近代の時 間は形作られている のです。 たしかに、「物理時間」は、効率化を推し進めることで「より便利でより快適な環境を作り出すこと」に貢献し ました。しかし、そで人類は幸福になったと言えるのか。筆者は、「時間の環を巡る生物時間の密度を濃くして きたように見えて、逆に薄める結果となっている」という逆説(P 参照)を指摘しています。 時計によって計測 される抽象的な時間は私たちの身体に流れるけっして一定ではない時間に、寄り添ってはいない からです。 試験にも制限時間があり、より早くより的確に解答することが求められます。しかし、だからと言って「即時的 な対応に終始し、じっくり考える癖を失って」は、何も身につきません。理解して自分のものとする。そのための 時間はしっかりとかけてください。 42 解説 例文において筆者は、 と呼んでいます。たしかに、 環する時間」に従っていますから、「物理時間」と「生物時間」という対比は妥 「時計の時間」を「一方的に流れる物理時間」、 「時計の時間」はモノの生産を行うのに適しており、

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