極める古文1 基礎・必修編

第6講  『平家物語』

P OINT

「なむ(ん)」の識別 1 連用形+「なむ(ん)」=完了の助動詞「ぬ」の未然形+推量の助動詞「む(ん)」の終止形・連体形 2 未然形+「なむ(ん)」=他への願望の終助詞「なむ(ん)」 3 その他+「なむ(ん)」 A 係助詞「なむ(ん)」 B動詞の一部+推量の助動詞「む(ん)」の終止形・連体形 1の場合、 「な」は完了の意がなくなり、強意になって下の「む(ん)」の意味を強める。「な

― の訳は、「む(ん)」の意味によっていろいろ変化する。 2終助詞は他への願望なので「~してほしい」と訳す。 3のAは係り結びが生じている場合、文末が連体形になる。ただし、結びが省略される場合が ある。特に次の形に注意。いずれも「なむ(ん)」は係助詞。 ○うつくしくなむ。→形容詞連用形「 く(う)」+「なむ(ん)」の場合。 ○花咲かずなむ。→打消の助動詞「ず」連用形+「なむ(ん)」の場合。 3のBはナ変動詞に「む」付いた「往なむ」「死なむ」など。 波線部aの「なん」は、ラ行四段動詞「入る」の連用形「入り」に付いているので、選択肢3の「完 了の助動詞+推量の助動詞」が正解。 解答

3

103

Made with FlippingBook HTML5