極める古文4 上位~難関大突破編

孔子のたまへるこ 孝にあらず。あらそふべき べき時随ふ、これを忠とす、こ しかれば、主君にてもあれ、父母 てもあれ、知音、朋友 悪し むことをば、必ずいさむべきと思へども、 の末にこのことかなはず ひ立ちぬることをいさむるは、心づきなくて 随 したが ひ奉る、忠にあらず

ること、ありがたし。さて、することの悪し きさまにもなりて、しづかに思ひ出づる時は、 その人のよく言ひつるものをと思ひあはすれ ども 、また心の引くかたにつきて、思ひたる

言ひあはする人の、心にかなふやうにもおぼ ゆれば、天道はあはれとも 人の悪しきことをいさむる のは 顧みを

第 10講『十訓抄』

。ひとへに親に随ふ、

。人の習ひにて、

思 おぼ すらめども、主

ひとへに君に

蒙 かうむ

孔子がおっしゃっ し上げるのは、 忠ではな 孝ではない。逆らわなければ ならない時は従う、これを忠とし だから、主君であろうが、父母、親 であろうが、悪いようなことを、必ず戒め うけれど、末世ではこのことはできない。人の やろうと決意したことを て 気に食わなくて、一緒に賛同してくれる人が、好ましが ようにも思われるので、天の神はしみじみ感心だとお思いに かもしれないが、主人 悪い点を戒める者は、 れることがめったにない。さて、することが悪い状況になって、 落ち着いて思い起こす時は、ある人がよくぞ諫言してくれたなあ と思い当たることがあったが、また ついて、やろうと思ったことがある時は、 が わずらわしく、また戒めるのだろうと思って、このことを聞か

他人が

戒めるのは、

何か自分が

いつも戒める人のこと

戒められた人にとっ

主人に

心惹かれることに

引き立てら

人が

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