「新・ゴロゴ古文単語」オンラインフリー版v1.00
和 歌 縁語はある語を中心に、その語と関係のある語を使って表 現を豊かにする修辞法のひとつで、連想ゲームのようなも の。掛詞とセットで使われることも多く、掛詞の一方が縁 語になることがある 。 ふねも往ぬ まかぢもみえじ 今日よりは うき世の中を いかでわたらむ (『大和物語』 ) 馬ぶね(飼い葉桶)も持って行ってしまった。童の 真 ま 楫 かじ ももう姿を見せないでしょう。かじをなくし た舟のような私は、今日からつらい世の中をどうや って生きていけばよいのだろうか。 ■ 修辞法の解説 縁 えん 語 ご ふね かぢ うき わたる 衣 着る・馴 な る・褄 つま ・袖 そで ・張る・裁つ・裏 波 立つ・越ゆ・寄る・返る・岸・浜・浦・渚・海・川・音 ね ・高し 弓 かへる・引く・射る・張る・反る 露 消ゆ・末 すゑ 葉 ば ・結ぶ・置く・干る・玉・葉・野・秋・命 糸 縒 よ る・乱る・ほころぶ・細し・絶ゆ・貫 ぬ く 舟 漕ぐ・帆 ほ ・天の門 と ・かぢ・渡る・うき 煙 火・くゆる・なびく・焦がる 3 訳 1 縁語 ◦これらの言葉が、この和歌で言いたいことと関係な いということが「縁語」の条件。 2 掛詞 ◦「かぢ」は 「楫(舟のかじ) 」と「真楫 (人名)」 の掛詞。 ■ 主な縁語 「縁語」は覚えなくても、 その場でさがすことができる。現代人にも必ず縁 のあるものとして理解できる。 「主な縁語」を示すので感覚を養いたい。
和歌
301
Made with FlippingBook Learn more on our blog