「新・ゴロゴ古文単語」オンラインフリー版v1.10

「与ふ」

古文 文法 「奉る」は通常、 の謙譲語で「差し上げる」と訳し、 「~し申し上げる」と訳す。 ただし、尊敬の用法があるので注意。主語が貴人で、 「着 る」 「食ふ・飲む」 「乗る」の動作をしている場合は尊敬語で、 それぞれ「お召しになる」 「召し上がる・お飲みになる」 「お 乗りになる」と訳す。 ■ 敬語「奉る」の識別パターン ① 動詞や助動詞、およびそれに接続助詞の「て」の付 いた形に付いている場合。 → 謙譲の補助動詞 で、 「~し申し上げる」と訳す。つまり 補助動詞はすべて謙譲語。 ② 本動詞で使われた場合。 → 謙譲語で、 「差し上げる」と訳す。 人に物を取らせたるも、ついでなくて、「これをた てまつらん」と言ひたる、まことの志なり。 (徒然) 人に物を与える場合も、何のきっかけもなくて、 「こ れを 差し上げ よう」と言っているのが本当の誠意で ある。 ※「与ふ」 の謙譲語。 ③ 「差し上げる」ではおかしく、主語が貴人で「着る」 「食ふ・飲む」 「乗る」の動作をしている場合。 → 尊敬語で、 「お召しになる」 「召上がる・お飲みにな る」 「お乗りになる」と訳す。本文中には少ない。 いと暑しや。これより薄き御 おんぞ 衣たてまつれ。 (源氏) とても暑いな。これより も薄いお着物を お召しなさい 。 ※「着る」 の尊敬語。 15 敬語「奉 たてまつ る」 (P ) 訳 訳 64 謙譲語で使われる。本動詞の場合は、 補助動詞になる場合は、

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