みんゴロ古文読解
と さ 「なり」は伝聞推定。「する/なり」は「連体形+なり」 なので、「なり」は断だ! にっ 今回の古文文法・虎の巻で最も大事なものとしては、 「こそ~已然形、下へ続く」=逆接「~けれども」、と いうものがある。 係助詞「こそ」は文末を已然形で結ぶ(係り結び)が、 男性なので、なぜここで女性のふりをしなければなら なかったかと言えば、原因としては「仮名」を使うの は主に女性だったということがあげられる。当時男性 は漢文で日記を書いていたのだ。 おかげで 『土佐日記』は仮名で書かれた日記として は日本初の記念碑的作品とし残った のだから、紀貫 之も草葉の陰で満足しているはずだ。
13 き 』は 紀 きの 貫 つら 之 ゆき によって書かれた平安時代前 期の作品 で、仮名で書かれた日記文学の最初のもの。 その冒頭文、「男もすなる日記といふものを女もして みんとてするなり」というのを、一度は聞いたことが
『 土 佐 日 記 あるだろう。この文を暗記すると、助動詞「なり」の 識別にも強くなるので、何度か口に出して読んでみよ う。 「す/なる」は「終止形+なり」になっているので、 た。女性に仮託(=かこつけること)し、仮名文で書 いたところがなかなかおもしろい。紀貫之はもちろん
ゴロゴプレミアム講義
第二部
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これは入試文法、あるいは解釈においても非常に重要 で、出題頻度も高いものだ。古文文法・虎の巻を読ん で、しっかりマスターしておこう。 さて話を『土佐日記』に戻そう。『土佐日記』は紀 貫之が土 と 佐 さの 守 かみ の任期を終えて都へ帰る道中の数カ月を 記した旅日記ともいえるもので、 935年に成立 し
そこで文が終止せず下へ続く場合は逆接になる。口語 訳としては「~けれども・~のに・~が」があたる。
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