みんゴロ古文読解
◆ 品詞分解チェック 帥殿の南の院 ① にて 、人々集めて弓あそばし ② し に、この殿渡らせたまへ ③ れ ば、思 ひかけずあやしと、中ノ関白殿おぼし驚きて、いみじう饗応し申させたまひて、下 臈におはしませど、前に立て奉りて、まづ ④ 射 ⑤ させ 奉らせたまひけるに、帥殿の矢 かず、今ふたつおとりたまひぬ。中ノ関白殿、又御前に候ふ人々も、「今二度延べ させ ⑥ 給へ 」と申して、延べさせたまひけるを、やすからずおぼしなりて、「さらば 延べさせたまへ」と仰せられて、又射させたまふとて、仰せ ⑦ らるる やう、「道長 ⑧ が 家より帝・后立ちたまふ ⑨ べき ものならば、この矢あたれ」と仰せらるる ⑩ に 、おな じものを中心にはあるものかは。(中略)父おとど、帥殿に「なに ⑪ か ⑫ 射る 。 ⑬ な 射 ⑭ そ 、な射そ」と制せさせたまひて、事さめにけり。入道殿矢もどして、やがて出 でさせたまひぬ。そのをりは左京ノ大夫と ⑮ ぞ 申し ⑯ し 。弓をいみじく射させたまひ しなり。又、いみじく好ませたまひしなり。けふに ⑰ 見ゆ べきことなら ⑱ ね ども、人 の御さまの、言ひ出でたまふことのおもむきより、かたへは臆せられたまふ ⑲ な めり。 ①格助 ②過去「き」体 ③完了「り」已 ④ヤ・上一・未 ⑤使役「さす」用 ⑥ハ・四・命(尊敬) ⑦尊敬「らる」体 ⑧格助(連体修飾格) ⑨予定(当然)「べし」体 ⑩接助 ⑪係助(反語) ⑫ヤ・上一・体(結び) ⑬副詞(禁止) ⑭終助 ⑮係助(強意) ⑯過去「き」体(結び) ⑰ヤ・下二・ ⑱打消「ず」已 ⑲断定「なり」体 (撥音便「なん」の無表記)
第二部
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