みんゴロ古文読解
20 かがみ 』は室町時代(南北朝時代)に成立した「歴 史物語」 。作者 二 に 条 じょう 良 よし 基 もと ではないかと推測されてい る。後 ご 鳥 と 羽 ば 天皇の誕生から、後 ご 醍 だい 醐 ご 天皇の隠 お 岐 き からの 還幸までの約150年間の歴史を編年体で記したもの で、「四鏡」の最後の作品。 ちなみに「四鏡」とは大鏡』『今鏡』『水鏡』『増鏡』 の四つで、 『大鏡』と『今鏡』は平安時代成立、 『水鏡』 は鎌倉時代成立そしてこの『増鏡』は室町時代(南 北朝時代)成立。 作品の成立順としては、「大根(今) 水増し」と覚える 。一方書かれている歴史的内容の 順番としては、 『水鏡』『大鏡』『今鏡』『増鏡』なので、 ゴロゴプレミアム講義 『 増 鏡 ます
こちらは「水大根(今)増す」と覚えるのだ! さて今回は第二部の古文文法・虎の巻の締めくくり として、「『にて』の識別」を取り上げた。同形品詞識
がある場合、基本的にその下に「あり」に類する存在 を表す語がくるが、これがよく省略されるので困りも のなのだ。「にて(~あり)」という呼吸がつかめるよ うになればたいしたものだ。
基本的には「~であって」と訳すものが断定の助動 詞「なり」の連用形「に」+接続助詞「て」であり、 単に「~で」としか訳さなければ格助詞「に と取 れば当たりだ。また、断定の助動詞「なり」の連用形「に」
助動詞「なり」の連用形「に」+接続助詞「て」とな るのかの識別がポイントだが、なかなか一筋縄ではい かない難しさだ。
「『にて』の識別」においては、「にて」が一語の格 助詞「にて」なか、それとも二語に切れ、断定の
別では「『に』の識別」がNO1であり、それをマスター したうえでこの「『にて』の識別」に取り組んでほしい。
第二部
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