みんゴロ古文読解

◆ 品詞分解チェック この御代に当たりて、よき歌詠み多く聞こえはべりし中に、宮内卿の君といひ しは、村上の帝の御後に俊房の左の大臣と聞こえし人の御末なれば、はやう はあて人なれど、官浅くてうち続き、四位ばかり ④ にて 失せ ⑤ に ⑥ し 人の子なり。 まだいと若き齢 ⑦ にて 、そこひもなく深き心ばへをのみ詠みしこそ、いとあり がたくはべりけれ。(中略) 薄く濃き野辺の緑の若草に跡まで ⑧ 見ゆる 雪のむら消え 草の緑の濃き薄き色 ⑨ にて 、去年のふる雪 ⑩ の 遅く疾く消えけるほどを、推し 量りたる心ばへなど、まだしから ⑪ む 人は、いと思ひよりがたくや。この人、 年積もるまであら ⑫ ましか ⑬ ば 、げにいかばかり、目に見えぬ鬼神をも動かし ⑭ な ⑮ まし に、若くて失せ ⑯ に ⑰ し 、いといとほしく ⑱ あたらしく ⑲ なむ 。かくて、この たび撰ばれたるをば新古今集といふ ⑳ なり 。 上 ① の その道を得たまへ ② れ ば、下も自らときを知るならひ ③ に や、男も女も、

⑲係助(強意) ⑳断定「なり」終

⑱シク・形・用

⑰過去「き」体

⑯完了「ぬ」用

⑮反実仮想「まし」終

⑬接助(仮定条件) ⑭完了(強意)「ぬ」未

⑨格助 ⑩格助(主格) ⑪婉曲「む」体 ⑫反実仮想「まし」未

⑦格助 ⑧ヤ・下二・体

⑥過去「き」体

④格助 ⑤完了「ぬ」用

③断定「なり」用

①格助(主格) ②完了(存続)「り」已

第二部

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