みんゴロ古文読解
172 さて、本題の「まゐらす」だが、古文文法・虎の巻 にもあるように、「まゐる」よりも一段高い敬意を表 す謙譲語で、本動詞と補助動詞の用法がある。 「まゐる」 はすでにP で勉強したが、まだしっかりと定着して いない人はもう一度戻って確認しよう。 中古の謙譲の補助動詞としては「聞こゆ」 「奉る」 「申 す」が主流 だったが、しだいに「まゐらす」が多く使 を認めた感じ(笑)。一方「僕はやりました」だと誤 解を解く感じ(他の人はやってないけど「僕『は』」ちゃ んとやりました)という気がしませんか。さらに言え ば「僕は せん」とは言えても、 「僕がやりません」 とは言えない。こうやって考えると言葉の変遷という のもおもしろいものだね。 『 古 本 説 話 集 こ ほん せつ わ
24 ゴロゴプレミアム講義 成立した説話で、世俗説話 。 今回扱う敬語は「まゐらす」だが、文中には「さぶ らふ」「たまふ(四段=尊敬)」「おほす」「まゐる」「お ぼしめすなどの敬語がほどよく使われていて、 敬語 のまとめとして最適 だ。内容は『源氏物語』の成立に ついての経緯を書いたもので、読みやすい。 へと移行したわけだちなみに現代では主格は「が」 から「は」へと移行している気がする。「僕がやりま す!」に対して「僕はやります!」と言うと微妙にニュ アンスが違うよね。 また、「僕がやりました」だと、やったのは僕で~ すとちょっと誇る場面か、ないしは、僕がやったと罪 しゅう 』は平安時代末期から鎌倉時代初期に
第三部
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われるようになり、現代語の「ます」へとつながった。 こうやってみると言葉の変遷というのはおもしろいも のだね。 古文での主格は「の」が多く、古文で「花の咲く」 とあれば、 「花が咲く」と訳す。主格が「の」から「が」
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