みんゴロ古文読解
とすれど、 うへ のおはしまして、 おほとのごも 花にまがへて散る雪に と、わななくわななく書きてとらせて、 いかに 、と 。これがことを聞か 、 り たり。 主 、とて、 遅う さへ あら むは
「 を、 俊 とし 賢 かた の宰相など、『 なほ 、 内 ない 侍 し に、 奏 そう し て 兵衛の督 かみ の 、中将におはせし、語り給ひし。 」 なさむ』なむ さだめ 給ひし とばかりぞ左 さはれ 空寒み 思ふ らむ と思ふに、 そしら れたらば聞か じ わびし ばや 、とおぼゆる
「 」 とのもりづかさ 殿司 は、 とくとく といふ。げに 、いととりどころなければ、 役人は、「お返事を 早く、早く 」と言う。本当に付 け句が下手なうえに返事をするの はなはだ取り柄がないの、 、と思って、 、花の散るの見間違えように降 お休みになっ までが
になって、御一緒に る雪に と、震え震え書いて渡したものの、この返事を先方 では、 どう 思っ ているだろうか と思うと、 つらいも のがある 。この返事の評判を聞き たい 、と思うが、 もし 悪く言わ れているのならば聞く まい 、と思って いると、「俊賢の宰相などがあなたの返事を見て感 心し『 やはり 、 帝に申し上げ て内侍にしよう』と 評 定 なさったよ」とだけ、左兵衛府長官 で 、当時は 近衛の中将でいらっしゃった方が、お話しになった。 ら、それでは、 でもなれ 空が寒いので =
ている。主殿寮の 遅い とした どうに
第三部
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