みんゴロ古文読解

今回の古文文法・虎の巻で扱っている「り」「給ふ」 「ば」はいずれも文法の枠を越えて古文読解にからむ =確定条件とは全く別物なので、現代語の感覚で古文 を読んでいる人は早目にこの二つの違いを頭にたたき 込もう!

『宇 う 治 じ 拾 一つ一つが完結したストーリーをもっているため、入 試で出題されやすい。説話ではこの『宇治拾遺物語』 が最もよく出題されるが、他にも、前述の『今昔物語 集』、『古 こ 本 ほん 説 せつ 話 わ 集 しゅう 』、 鴨 かもの 長 ちょう 明 めい 作の『発 ほっ 心 しん 集 しゅう 』 、『古 こ 今 こん 著 ちょ 聞 もん 集 じゅう 』、『十 じっ 訓 きん 抄 しょう 』などが、入試出典の上位にランクさ れる。  已然形の「給ふれ」などの形の場合は一語で謙譲語。 「尊敬+完了」の「給へ/る」「給へ/れ」との違いを 識別することが大切。 また接続助詞「ば」のマスターは古文読解の基本 中の基本。「未然形+ば」=仮定条件と「已然形+ば」

03 ゴロゴプレミアム講義 で、 内容的には世俗説話と言われるもの。説話は平安時代 の『今昔物語集』が最大のものだが、鎌倉時代に入る と『宇治拾遺 』をはじめとして数多くの説話が成 立した。 「説話」というジャンルは古文的にはわりと平易で、 しゅう 遺 物 語 い もの がたり 』は鎌倉時代前期に成立した説話

第一部

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ものなので、しっかりマスターしてほしい。 完了の助動詞「り」は、接続が特殊で文中にも頻出 する受験生泣かせの助動詞だ。特に「給ふ」と組み合 わさって「給へ/ら・給へ/り・給へ/る・給へ/れ」 などの形で出てきた時は要注意。いずれも 四段の「給 ふ」の已然「給へ」に完了の助動詞「り」が付いた ものなので、「給へ」は尊敬 となる。 一方、後でも出てくるが、「給ふ」には下二段のも のもあり、そちらは謙譲語。例えば連体形の「給ふる」、

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