みんゴロ古文出典
易 難 入試 出題箇所を チェック ! 古文の基本とも言うべ き単語・文法でストー リーも有名。出題大学 も偏りがない。 次の場面はかぐや姫に求められた龍の頸の五色の玉を取ってこれなかった大伴の大納言が、命からがら播磨の浜に漂着し た場面である。 国に仰せ給ひて、 手 た 輿 ごし つくらせ給ひて、によふによふ 担 にな はれ給ひて、家に入り給ひぬるを、 いかでか聞きけむ、遣はしし 男 をのこ どもまゐりて申すやう、「龍の 頸 くび の玉を え取らざりしかばなむ、殿へも え まゐら ざり し。玉の取りがたかりしことを 知り給へればなむ、勘当あらじとて、まゐりつる」と申す。大納言起きゐて のたまはく、「 汝 なんぢ ら、よく持て来ずなりぬ。龍は鳴る神の類にこそありけれ。 それが玉を取らむとて、 そこらの 人々の害せられなむとしけり。まして龍を捕らへたら ま ※ しかば 、 またこともなく我は害せられな ま ※ し 。よく捕らへずなりにけり。かぐや姫 てふ 大盗人の奴が、 人を殺さむとするなりけり。家のあたり だに 、今は通らじ。男ども、 な ありき そ 」とて、 『 竹 たけ 取 とり 物 もの 語 がたり 』 島根大学 大納言は播磨国の役所にお命じになって手輿を作らせなさって、うめきうめきかつがれなさって、お邸にお入りになったのを、 それをどうして聞きつけたのであろうか、先に龍の頸の玉を取りに派遣された家来たちがやってきて申すことには、「私どもは龍の頸の玉を 手に入れることができなかったので、お邸へも参上 できず におりました。しかし今は、玉を取ることが困難なことを 大納言様ご自身もお知りになったので、おとがめもあるまいと思って参上しました」と申し上げる。大納言が起き上がって おっしゃることには、「お前たちは龍の頸の玉をよくぞ持ってこなかった。龍は空に鳴る雷と同類であるぞ。 その龍の頸の玉を取ろうとして、 多くの 人が殺されそうになったのだ。ましてもし龍を捕らえてしまったならば、 また易々と私は殺されてしまったことだろうに。よく龍を捕らえずにすんだことよ。かぐや姫 という 大悪党が、 人を殺そうとしたのであったよ。かぐや姫の家のあたり でさえも これからは通るまい。家来もあの辺りを歩い てはならない 」とおっしゃって、 DATA FI LE
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