みんゴロ古文出典

顔 れが『源氏物語』の主人公、光源氏である。 弘 徽 殿の女御にも第一皇子がいたが、帝の愛情は光源 氏の一身に注がれた。そのため桐壺の更衣に対する弘 徽 殿の女御のいじめはますますひどくなり、ついに桐壺の 更衣は心労で光源氏が3歳の時死んでしまう。 桐 きり 壺 つぼ 帝 てい 八月十五日夜、光源氏は夕顔の家泊り、翌朝、夕顔 を近くの廃院に連れ出す。ところがそ夜、寝床に光源 氏の愛人の一人である六条御息所の 生 いき 霊 りょう が現れ、夕顔に

かつての恋人だということがわかる。しかし光源氏は 夕 ゆう 顔 がお のどこか頼りなげな雰囲気に溺れ、夕顔ほうも光源 氏の優雅な振る舞いにしだいに惹かれていく。

夕 どいいじめを受けて そのため心労で病がちにな り、実家に帰ることも多かった。しかし帝の寵愛は増す ばかりで、やがて玉のように美し皇子が生まれた。こ らせてあり、和歌が書かれている。光源氏はその風流心 が気に入り、この家の女性のもとに素性を隠して通うよ うになる。女性の素性を調べさせたところ、頭の中将の

2 位 う女性がいた。更衣は父を亡くしており、有力な後見人 もなく、帝の寵愛を得ようとしている女御や更衣たち、 特に右大臣の娘である 弘 こ 徽 き 殿 でん の 女 にょう 御 ご 一派から妬まれ、ひ 磨 かせたところ、童女が現れて扇を渡される。惟光はその 扇に夕顔の花をのせて光源氏に届けた。扇には香がくゆ

とりついて殺してしまった。夕顔の遺骸はひそかに葬ら れ、光源氏はショックのあまり寝込んでしまう。光源氏 はせめて夕顔の遺児( 玉 たま 鬘 かずら )を引き取りたいと思うが、 夕顔の死を隠していたので、それもかなわなかった。 の落胆は激しく、政務も忘て更衣形見の品を眺めて は自分たちの悲劇を中国の玄宗皇帝と楊貴妃にぞらえ て涙した。桐壺帝は光源氏に後見人がいないことを配慮 して 東 とう 宮 ぐう にはせず、貴族にして「源氏」の姓を与えた。 ここから光源氏物語始まる。

1 位 3 17 須 1 2 位 歳の光源氏は、亡き 東 とう 宮 ぐう の妃だった 六 ろく 条 じょうの 御 み 息 やすん 所 どころ のもとへひそかに通っていた。ある夏の夕方、光源氏は 五条にある乳母の見舞いに訪れた光源氏は隣家に咲く 夕顔の花に目が止まり、従者の 惟 これ 光 みつ にその花を取りに行  『源氏物語』の冒頭の巻。いつの帝の治世だったか、 女御・更衣がたくさん仕えている中に、それほど高貴な 身分ではないが帝の一番のお気に入り、 桐 きり 壺 つぼ の 更 こう 衣 い とい 夕 顔 桐 壺 2 3

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