みんゴロ古文出典

読解ポイント ★文中に二度出てくる「 の二つの意味があって、文脈判断が大切。ここでは両方 の意味で使われており、状態の維持なら「そのまま」、時 間の連続なら「すぐに」と覚えておこう。

1 10 第 位 ~ 第 位

言はれぬる虚言は、人 いたく あらがは ず 。皆人の興ずる虚言は、ひとり「さもなかりしものを」 と言はんも 詮 せん なくて、聞きゐたるほどに、証人にさへなされて、 いとど 定まりぬべし。 とにもかくにも、虚言多き世なり。ただ、常にある珍しからぬ事のままに心得たらん、 よろづたがふべからず。下ざまの人の物語は、耳おどろく事のみあり。よき人は あやしき事を語らず。 やがて 」は「そのまま」と「すぐに」 言われた嘘は、人は それほど反対しない 。みんなが面白がる嘘は、自分ひとりが「そうでもなかったのになぁ」 と言うのも無意味なので、黙って聞いているうちに、証人にまでされてしまい、 ますます 事実と決まってしまうに違いない。 とにかく、嘘の多い世の中である。嘘というものをいつもある珍しくないもののように心得ておけば、 全 て 間 違 い な い だ ろ う。身 分 の 低 い 人 の 話 は、聞 い て 驚 く こ と ば か り で あ る。身 分 の 高 い 人 は、 奇怪な とは話さない 。

★ 格助詞「 の 」は同格の用法が大切。「~で・~であって」 と訳す。また「 ぬ 」には打消「ず」の連体形と完了「ぬ」 の終止形とがあり、取り違えると意味が逆になるので注 意。

『徒然草』は内容がとっても

文を読んでみてください。

基本事項が多いのでぜひ全

面白いですよ。単語・文法も

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