みんゴロ古文出典
300 第 3 位 清少納言の書いた随筆『枕草子』は、紫式部の『源氏物 語』とほぼ同時代の平安中期に成立した作品。 『 源氏物語 』 が 「 あはれ 」 の文学 と言われるのに対して、 『 枕草子 』 は 「 を かし 」 の文学 といわれる。約 段からなる文章は、内容的 には以下の三つに分けられる。 「 類 るい 聚 じゅう 的 てき 章段 」 は別名「も のづくし」「ものはづけ」ともいい、 「あてなるもの」「山は」
1 などで始まっており、全体の約半数を占める。清少納言が 身辺のものを自分の感性で批評した、最も『枕草子』的な 章段群である。それに対して、 「 日記的 ( 回想的 ) 章段 」 は清少納言の出仕した 中宮定子 を中心とした宮廷生活を描 いたもので、長文のものが多く読みにくい。さらに、 主語 を省略 する古文独特の文体も手伝って、受験生が読解する
2 のに苦労する章段である。そのため、頻出する段に関して は、人物関係をおさえておくことが大切。ちなみに内容は 圧倒的に中宮定子を賛美するものと、自画自賛的ものが 多い。 「 随想的章段 」 は、以上のいずれにも属さないス ケッチ風の章段で、特に自然を題材とするものが多い。 3
出題率 平安中期 随筆 枕 まくらの 草 そう 子 し 清 せい 少 しょう 納 な 言 ごん 5.2 %
清少納言 VS. 紫式部
紫 むらさき 式 しき 部 ぶ 中 ちゅうぐうしょうし 宮彰子に仕える
清 せいしょうなごん 少納言
中 ちゅうぐうていし 宮定子に仕える
清 きよはらもとすけのむすめ 原元輔女
紫 むらさき 式 しき 部 ぶ 日 にっ 記 き
源 げんじものがたり 氏物語 「 あはれ 」の文学 世界最古の長編物語
枕 まくらのそうし 草子
「 をかし 」の文学 三大随筆の一つ
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