みんゴロ古文出典

出題率 4 位 5.0 % 『宇治拾遺物語』は 鎌倉前期 、 世紀前半頃に成立した説 話 文学で、 世俗説話 に分類される。宇治平等院に避暑に行 った大納言 隆 たか 国 くに が、そこで寝ころがりながらいろんな人か ら面白い話を聞いて書きとめた、と序文に書かれている。 つまり、「宇治に 遺 のこ れるを拾ふ」というのが書名の由来。平 安時代に成立した『 今昔物語集 』や、他の説話集とも重複す る話が多い。全 話あり、短編物語的な形をとっているた め入試では出題されやすく、また出題箇所も多くの話にわ たっている。文体は口語表現的で読みやすく、話題も「 こぶ とりじいさん 」、「 舌切り雀 」などの有名な民話が入ってい る。内容的に読みやすい分、つっこんだ問題が多く、国公 立二次試験などでは口語訳や説明問題が頻出する。その意 197 説話文学

13 味では、基本的な古文単語・文法をおさえた上で、丁寧な 口語訳をするよう、日ごろからの勉強の積み重ねが大切に なる。また、文学史問題も多く、左ページでまとめたように、 時代(平安か鎌倉か)、説話の中のジャンル(世俗か仏教か) という四分類を確実に覚えておかなければならない。 民間に伝えられた、 神話・伝説・昔話などの総称。 叙事的・伝奇的で庶民性に富む。 作品は多くが鎌倉時代に成立した。 内容から、 世俗説話・仏教説話に分かれる。 話文学 世俗説話 仏教説話 民衆の生活が 題材。 仏教のえを 広めるための話。 鎌倉前期 世俗説話 宇 う 治 じ 拾 しゅう 遺 い 物 もの 語 がたり 作者未詳

32

Made with FlippingBook - Online catalogs