新・ゴロゴ漢文問題集 基礎・必修編 v1.01
のではない)。粟や米は人間の上等な食物である。どう それを用いて鳥を養おうか(いや、そんことはしない)。 書き下し文 現代語訳 夫 そ れ百 ひやく 姓 せい 牛 うし を煦 く して耕 たがや し、背 せ を曝 さら して 耘 くさぎ り、苦 く 勤 きん して敢 あ へて堕 おこた らざるは、豈 あ に 鳥 てう 獣 じう の為 ため ならんや。 粟 ぞく 米 べい 、人 ひと の上 じやう 食 しよく なり。 奈 い 何 かん ぞ其 そ れ以 もつ て鳥 とり を養 やしな はんや。
文頭で接続詞として用いられる場合は「それ」と訓 「あへて~(せ)ず」と訓む。 「進んで~しない」の意 「如何」に同じ。文頭にある場合は「いかんぞ」と訓む。本 あるので、終助詞の「也」と合わせて「んや」と訓み、反語とな 重要語句 ▪ 夫 ▪ 不敢 ▪ 奈何
そもそも人々が牛を養い育てて田を耕し、背中を日にさら して草刈りをし、苦労して働いて怠けようとしないのは、ど うして鳥獣のためであろうか(いや、鳥獣のためにしている
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