新・ゴロゴ漢文問題集共通テスト編 オンライン限定コンテンツ版
第 8 講 劉基『郁離子』
1 1 1 ことに注目しよう。傍線部は、猿たちのエピソードを踏まえて、筆者(郁離子)が教訓を引き出した箇 所にある。だとすれば、 主語は、具体的な「猿たち」 「猿飼いの親方」ではなく、一般化された「民たち」 とみるべきだ ただし、まだ確定的なことは言えないので、「昏」の意味を考えよう。 「昏(コン・くらし)」は、 「夕方」が原義で、そこから「暗い」 「道理が分からない」 「意識が定かでない」 などの意が生じた(昏迷・昏睡など)。エピソードで言えば、 「昏」で親方企みが分かっていなかった (未覚)のは「猿たち」 である。そして、それ傍線部では「猿たち」が 「民たち」に一般化されている(な お、郁離子の言葉には出てこないが、「親方」は為政者に一般化されていると考えられる) 。 以上のように考えれば、やはり主語は ・ のように「民たち」とみるべきであろう。そして、両者 を比較すると、 は「疎くて」が「昏」 、「これまで気付かなかった」が 「未覚」に対応しているのに対し、 は「満足していた」が解釈として無理がある (「皆畏苦之」 とあるとおり、猿たちも親方(狙公)に不満 をもっていた)。よって、 が正解と判定できる。 主語で選択肢を判別する というのは、小説や古文でもよく出てくる(第6講問2参照)。本文を読み 進める際には、つねに主語を意識することが肝心だ。 正解 問5 複数のテクストを用いた問題 前講で見たように、共通テスト初年度には漢詩と漢文の二つのテクストが出 題されたが、それに先 立って行われた試行調査の本問では、日本語文と組み合わせた問題が用意された。今後十分に出題が予 2 1 2
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